第3話 違和感

カウンセリングは自分を知る作業、と先生に言われたことがあります。

その中には、知らなければ良かったと思うことも出てくるかもしれません、と。


つい最近の診察での主治医との対話を思い返していました。

家族がいても、私はひとりなんだと感じたのは八歳の時でした。

うつ病のようなしんどさが出始めたのは、十四歳の時でした。

自分が周りのひととは違うと感じたことはありませんか、と問われた。

あなたは自分の強い個性に無自覚、とかなり以前に主治医は私に言いました。


人と群れることに違和感を感じ始めたのはいつだったのでしょう。今日は今までの人との出会いを思い返している間に少し、深く眠ってしまいました。

悩んでいたというよりは、人と群れる中で感じとっていた過去のことを思い返していました。

たくさんの出会いの中で、この人と仲良くなりたいと思った人のことも思い出しました。どちらのほうが思いが強かったのでしょうか。


特別誰かを好きとか苦手とかがあまりなく、周りにいるひとたちをなんとなく同じような距離感で見つめられていたとき、私は居心地の良さを感じていたように思います。


平和な感じですね。

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