第22話 まるい窓

私は二歳でこの家に引っ越すまで、父親の社宅の団地で家族で過ごしていました。


二歳までの自分の記憶はほとんどなく、社宅を出て、左右両方に小さな公園があり、私は右側より左側の公園を好んでいたことくらいしか、覚えていません。


あと、私は左側のひざが悪く、整骨院に母親に連れて行ってもらっていました。

自転車に乗せられ、その時見た、社宅から少し離れた場所にある黄色い壁のマンションに、丸い窓が付いていて、私はそれを気に入っていました。それも、覚えています。


そして、今のふつうの二階建ての家に引っ越して来た時、家の中に階段があることに妙に興奮して、一階から二階を何度も行き来した覚えがあります。


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