うつ病 日記

容子

第1話 雪

家の目の前は昔は何もない草地でした。そこをつきぬけて行けば、幼稚園に着きます。その草地を囲う感じにある、車も通るふつうの道を歩いても幼稚園に着きます。

ふつうの道を通りなさいよ、雪がつもっているのだからと母は言いました。返事をしたかは覚えていません。

私はあまりに白い景色がきれいに感じ、草地を歩いて足全体がずぶぬれになりました。

幼稚園の先生に言われたのか、自分でそうしたかは覚えていませんが、私は家に引き帰りました。

母は、もう、だからふつうの道にしなさいって言ったのに、と言いながら着替えをくれました。もう一度私は幼稚園へ行きました。


この歳になった今でも、私は自然界の景色で一番きれいと感じるのは雪の白さ、静けさです。



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