第13話 日常

朝、起き上がれない日々が続いています。

何度も、猫みたいに丸くなって、起き上がる寸前までの姿勢をする。が、崩れてしまうのです。


やっとの思いで起き上がったが、何に着替えたらいいか、わかりません。

服が選べないのです。


だいぶきてるかな、私、と感じました。


しばらくはこんな日が続くかもしれないです。

秋、冬に着れる服を、着回せるように買っておこうと思いました。

考えなくて良い、パターンの決まった、ラフなものにしましょう。


動けそうなので、動いて買っておきました。

全然、女性らしくない、中性的なイメージになっていました。

でも、そういうものが今は着たいようです。


食べ物も見ましたが、全然食べたいものが少なかったです。

カステラと豆乳とゼリーは買いました。


私の両親は、一度も私にこんな服を着なさい、とか、女の子なんだから、とかで服のセンスを押し付けなかった。

自分で服を選ばせる歳も周りの子供に比べ、早かったように思います。


季節の変わり目は苦手ですか?

この間の診察でそう聞かれました。

あ、はい。

先生、着る服がわからなくなりました。

そう言ったら、そのままカルテに打ち込まれてしまうのでしょうか。

今度の先生は、私の言葉を正確に聞き取ります。

私は、先生の美点だとすぐに感じました。








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