第12話 夜の闇
夜の暗闇の中、目が覚めると不安になるのは幼稚園に通い出した頃からだったかもしれません。
特に、幼稚園で嫌なことがあったわけではなかったです。
夜中にふと目が覚める日が出てきました。
横を見ると姉はぐっすり眠っていました。
余計に不安になりました。
隣の部屋で寝ている両親の元に、枕と肌布団を抱え忍び込みました。
父と母の布団はくっついてはなく、ほんの少し隙間があるのです。
私は必ずそこに滑り込みました。静かに。
母は大抵うっすら目を開けて、自分の掛布団を持ち上げ、入っていいよという格好をしました。
でも、私は一度も入っていません。
母が嫌とかではなく、そこまでくっつくのは照れくさい感じがしていました。
父はいつも熟睡していました。
そんな夜は私が小学校低学年になるまで、たまにありました。
中学に入り、私は一人部屋になりました。
そこから、私の不眠は始まっています。
私は夜の闇が恐いと感じていました。
静寂も心細かったです。
夜中に目が覚めると、電気をつけなければ不安で仕方なかったのです。そうして明るくした中で、うつらうつら眠っていました。
すごく深く眠り目覚めた時、私は今が朝か夜か、ここはどこか、自分は誰かをわかるのに、数秒かかる時があります。
そういう時、現実の時間から随分遠いどこかへ意識は行っていたのかな、と考えたりします。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます