概要
現代における妖怪システムの脆弱性
関連性のない二つの殺人現場に残された同一のメッセージ。そこから連続殺人の疑いを持った神田署の刑事鬼島三月は独自に調査を進めるが、その中で宮内庁の官僚を名乗る十塚紅葉が神田署に現れる。二つを連続殺人として捜査すると三月を引き抜いた十塚はだが、不可解な言動を見せ……
訪れるのは妖怪の実在化。鍵となるのは現代における妖怪システムの脆弱性。やがて事件は日本全土を覆う大混乱へと発展していく。
第7回ハヤカワSFコンテスト一次選考通過作
訪れるのは妖怪の実在化。鍵となるのは現代における妖怪システムの脆弱性。やがて事件は日本全土を覆う大混乱へと発展していく。
第7回ハヤカワSFコンテスト一次選考通過作
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!「現代妖怪文化」小説の最前線、あるいはメタ的妖怪大戦争
現代妖怪小説の最先端をいくジャンル小説です。
基本的なスタイルはシリアス路線の伝奇サスペンス。物語は奇妙な連続殺人事件から幕を開けます。被害者をつなぐのは「牛の首」というキーワード。あり得ないはずの怪異が現実と交差していきます。収束しかけたかに見えた事件は二転三転し、やがて現代の妖怪概念の根本を揺るがす事態へと発展し……。
主人公の刑事・鬼島三月が警察署と事件現場、そして探偵役の樹木慈姑のいる古書店とを行き来することで、お仕事もの的な面とお店もの的な面を自由に場面転換させる冒頭は入りやすく、すっと作品世界を受け入れることができます。
他人との会話を不得手とする慈姑と、その意志を十二分に…続きを読む