ホリデイ ~スリラー「魔の休日」より
電車に揺られながら、三月は十塚が現れた時の大嶽の表情を思い出していた。
「聞かないんですか?」
その大嶽は三月の目の前で吊り革を掴んでいる。電車は空いているが、座席にかけようとはしない。なのに離れずにいる辺り、距離感を掴むのに苦労しているのだろう。三月もそうだ。
「聞いていいんですか」
「話せることは少ないですが」
やっぱりややこしい過去があるんじゃないかと三月は閉口する。それでも可能な分は話そうとしてくれている姿勢に少し好感を持てた。
「私は昔、公安にいたんです。十塚さんとはその時に、同じような形で。それと――当時の理事官が」三月の顔をちらりと見て、すぐに目を逸らす。「いえ、鬼島さんには関係のない話ですね」
それ以上大嶽は語らなかったし、三月も聞かなかった。
すでにリストに載った人物を三人訪ね、全て空振りに終わっていた。「牛の首」という言葉を知っているかと訊いたところ、一人は知らず、一人は都市伝説だと知っていて、最後の一人はどういうからくりなのかも丁寧に説明してみせた。
牛込神楽坂駅で降り、住宅街を進む。
新しくはないが小奇麗なアパートの一階、角部屋が資料に記された
今日は世間では休日なので、これまでに留守宅には当たっていない。
安藤の部屋のインターホンを鳴らし、しばらく待つ。反応がないので声をかけてみるが、こちらにも反応はない。
それからしばらく待ってみるが、どうやら留守だとわかり、三月は一歩引いたところで待っていた大嶽に首を振り、引き上げようとする。
「待った」
声を潜めて大嶽が三月を呼び止める。
指で玄関のドアを示し、口を大きく動かし、だが声はそよ風でかき消えそうなほど小さく言葉を発する。
「います」
どうやらわずかな気配から部屋の中の存在に気づいたらしい。三月はまるでわからなかったが、大嶽の弁なら信頼できる。
大嶽は手を出したまま、三月に静止を求めた。全く音を立てず、ドアの前まで移動する。
小さく、ドアが開いた。
大嶽はその隙も隙間も見逃さず、足を突っ込んでストッパーにする。
悲鳴が上がった。それもどう考えても驚愕のものではない、命の危機を訴えるものだ。
これには大嶽も面食らったらしく、一瞬動きが止まる。相手はそこでドアを思い切り開け放った。
閉まるのを防いでいたのだから、逆の行動には弱い。大嶽はバランスを失い、充分な間が生まれる。
中から男が猛進し、外の道路へ向かって突っ走る。
「鬼島さん!」
すぐに男を追おうと駆け出す大嶽は、男の進路上に棒立ちになっている三月に向かって叫ぶ。
危ない、ではない。逃げろ、でもない。
捕まえろ、だ。当然である。
「マジっすか……!」
警官である以上、三月も当然武道を修めているが、こうして道着以外を着て相手と対峙するのは初めてだった。
迫る相手を見て、これはまずいとわかった。まず三月を全く見ていない。そして突き進むことになんの迷いもない。逃げることだけに頭がいった結果、捕まえようとする相手すら無視して突進している。どうしようもなく厄介だ。放っておけば道に出た途端車に撥ねられてお陀仏になりかねない。
短く息を吐き、頭を冷静に切り替える。
三月はひょいと横にどいた。そして何食わぬ顔で足を出し、あとは突っ込んでくる相手の勢いに任せた。
蹴躓いて、思い切りすっ転ぶ。
そこに追いついた大嶽が上から覆いかぶさり、動きを封じる。
「安藤勇作さんですね。警察です。お聞きしたいことがあります」
こんな大立ち回りの直後でも、大嶽の言葉は穏やかだ。ただ顔はどうしようもなく怖いので、ひょっとしてこの男が逃げ出したのは大嶽の顔に恐慌状態を起こしたからではないかと思ったが、黙っておくことにした。
「う――う――」
男の様子は明らかにおかしかった。もう逃げ出す気は失っているようだが、歯の根が合わないようにがたがたと震え、耳の穴を指で連続で押さえながら呻き声を上げている。まるで――というより、怖い話を聞かされる時に耳を聞こえないようにする子供そのものだ。
「安藤さん? 警察です。聞こえていますか?」
「う――うう――ううう――う――牛の首に――殺される」
三月と大嶽は思わず顔を見合わせる。
大当たりだ。
「安藤さん、我々はあなたの味方です。お話を伺えないでしょうか」
上から押さえつけておいては説得力がない気もするが、どうせ安藤は何も聞いていないようだった。
三月はそろそろと安藤の前に移動し、その顔を覗き込む。
「目」
目が合った。いや、合わせにいったのだが、多分初めて安藤の目が三月を捉えた。
「目が、視えないのか」
安藤は急にそう呟いた。それは恐らくは三月に対しての言葉なのだろうが、全く意味をなしていない。三月はこうして安藤を見ている。
気づくと安藤は耳を押さえるのをやめている。この機を逃がすわけにはいかない。
「安藤さん、警察です。少しお話を伺いたいんですが、よろしいですか?」
「警察……?」
やっと話が通じたと胸を撫で下ろす。大嶽が謝罪しながら安藤を助け起こし、聞き取りを始めようとするが、安藤は部屋の中へ戻りたがった。話なら中ですると言われ、三月と大嶽は安藤の部屋の中に踏み込んだ。
中は雑然と物やゴミが置かれているものの、一人暮らしの男の部屋と考えればそれなりに整頓されている印象だった。
床に腰を下ろし、安藤がこちらを睨んできたので、聞き取りを開始する。
「まず、
それぞれ調布と神保町の被害者の名だ。
「知らない」
「では、『牛の首に殺される』――この言葉に心当たりはありませんか?」
安藤は再び耳を押さえて呻き声を上げ始めた。また外部からの音声を遮断している。
「くるんだ――くるんだよ。牛の首が殺しにくる! もうそこまで――昨日は部屋の前にきてた。聞こえるんだ。牛の声だ。モー、モー。ほら! 聞こえる!」
大嶽は苦い顔をして三月に視線を寄越す。完全に錯乱しているようだった。まともな話が通じるようには思えない。
だが、「牛の首に殺される」という言葉を知って――使っている。これは非常に重視すべき点だろう。
「あのね、安藤さん」
三月はもう一度安藤の目を覗き込みながら言う。
「牛の首は殺しにこないの」
「目を潰されているくせに」
安藤は三月の目だけを見て、譫言のようにそう返した。
駄目だ。どうしようもない。安藤にとっては牛の首は殺しにくるもので、本来の意味など彼にとってはもう意味をなさない。世界観が固定されてしまったといったところだろうか。
「鬼島さん、彼に任意同行を求めましょう」
安藤が耳を塞いでいるので、大嶽は一旦引いて三月にそう提案した。
「私たちはもう特捜から外されて、完全に別の組織として動いていることになりますが、十塚さんの力は強い。彼に署内で取り調べを受けさせることはできるでしょう。それに、彼は酷く怯えている。警察で一時保護するのも有効かもしれません」
「そうですね……連れてくの大変そうですけど」
三月たちは電車を使ってリストの人物の許を訪問していた。こんな状態の人間を電車に乗せて神田署まで同行を求めるのは骨が折れるに違いない。
「ああ、それなら大丈夫だと思いますよ」
大嶽は携帯電話を取り出し、電話をかけて短く現在地を告げると、礼を言って通話を切った。
しばらく待つと、表に神田署のパトカーが一台到着した。
中から降りてきた制服警官は敬礼をすると、お迎えに上がりました――とまるで賓客に対するように言って全員をパトカーの中に迎え入れた。今にも泣きそうなほど緊張しているらしいことが言動の一挙手一投足から伝わり、本当にあの十塚という女はなんなんだと三月は軽く眩暈を覚えた。
というより、これは半分連行のようなものだと三月は思う。
任意同行を求めたものの、安藤はずっとあの調子でまともな会話が成立しない。結局パトカーが到着した時に無理矢理立たせて中に押し込んだ形になる。ただ、抵抗することはしなかったので、言い訳はなんとかなるだろう。十塚が一言添えれば問題など雲散霧消しそうではあるが。
仮庁舎の神田署に着くと、運転する警官は真っ先にパトカーから降り、ドアを開けて三月たちを送り出すと、その場で敬礼をしてずっと見送っていた。
安藤を連れて応接室に入ると、署長が十塚に必死にゴマをするという、本来の使い方をされていた。十塚は入ってきた三月たちに気づくと、署長の言葉を手で制し、三月たちに座るように促した。署長は何度も頭を下げながら隣の署長室へと引き下がった。
「安藤勇作さんですね」
十塚はそう言って、三人掛けのソファーの真ん中に三月と大嶽に挟まれる形で座る安藤の顔を見る。
「知ってるんですか?」
「いえ。リストに載っている人物の顔は全員記憶しているだけです」
あの資料には顔写真はなかった。十塚だけが握っている情報は、やはり膨大なようだ。
三月は最初の大立ち回りから、安藤が「牛の首に殺される」と口にしていたこと、その「牛の首」に酷く怯えていること、そしてまるで会話が成立しないほどに錯乱していることを丁寧に報告した。
「わかりました。彼の取り調べは、私が担当します」
十塚はそう言って、そのまま安藤に声をかける。
「安藤さん、見てください」
十塚は瞬間少しだけ指先を動かす。
「うあああああ!」
途端に安藤は目を剥いて悲鳴を上げた。だがそれは最初の時のようなものとは違い、単純に驚愕のものに思われた。
「安心してください。これは私の式です」
「し、式……?」
十塚はそこで明らかな侮蔑の笑みを浮かべ、やれやれといったように言い聞かせる。
「私の命令に従う、しもべですよ。あなたに危害を加えることはありません。同時に、私が命令すれば、あなたを守るために全霊を賭します」
「た、頼む! 助けてくれ! 牛の首に殺される!」
「もちろんです。が、条件があります。あなたの身に起こったことを全て話していただきたいのです」
「話す! なんでも話す!」
十塚はにっこりと笑い、調書を取るための紙とクリップボード、ペンを取り出した。
「ではまず、『牛の首』をどこで知りましたか? そしてその内容はどんなものでしたか?」
安藤は何度も頷きながら、つっかえつっかえ話していく。
知ったのはインターネット上のサークル。スピリチュアル云々を信じる人間が集まるというコミュニティで、その掲示板で出た話題だという。
内容は、「牛の首」という怪物が人を殺すというものだった。そしてこの怪物はこの話を聞いた者の許へと現れ、逃れる方法はない。
「その話の出どころはわかりますか?」
十塚は安藤の話の間、一度も手を止めずにペンを動かしていた。クリップボードに留めた紙を新しいものに変える時にちらりと見えたのは、恐らく速記文字だ。
安藤はそのサークルで聞いただけで、出どころは知らないと答えた。
「では、なぜあなたはそこまでその話を恐れるんですか?」
安藤はまた耳を押さえようとするが、十塚が小さく指先を動かすと悲鳴を上げて何度も頷き、話し始めた。
安藤はサークルの女性メンバーを、インターネット上でストーキングしていた。フェイスブック、ツイッター、インスタグラムといった、そのサークルとは別のSNSで同じメンバーを探し出し、サークルとは違うアカウント名を使って観察していた。
その中の一人が、先月からネット上に顔を出さなくなっていた。その人物は「牛の首」に特に怯えていたメンバーで、サークルで話が出たあとも度々「牛の首」に言及し、怖い怖いと漏らしてた。次第に、「牛の首に殺される」と書き込むようになり、確認できた最後の書き込みも同じ文言だった。
そして書き込みが途絶えたあとに、調布市での殺人事件が報道された。安藤は間違いないと確信した。この被害者は彼女だ。「牛の首」に殺されたのだと。
「――中田恵子のスマートフォンから、該当する文言が投稿されたアカウントは出てきませんでした」
安藤の話を速記し終わった十塚に、大嶽がそう注釈を入れる。
「別人の可能性もありますね。そのアカウントの発信者情報開示請求を取りましょう」
安藤からサークルメンバーのアカウントは聞き出してある。というより、それなりの年齢に見える上に宮内庁職員だという十塚の口からさらりと「発信者情報開示請求」などという言葉が出てくることに三月は驚いてしまった。明らかに現代の捜査慣れしている。やはりどう考えてもただの官僚というわけではない。
「では、今日はこの辺りで。その式はあなたを守るためにつけておきますのでご安心を。ご自宅にお帰りになりますか?」
安藤は頷き、一人できちんと立って外へ出ていった。
「お二人とも、今日はお疲れ様でした。私たちも今日は終業にしましょうか」
まだ日は高い。普段なら考えられない終業時間だが、ここは役得だと思っておくことにする。
「進展、ですよね?」
自分のデスクへ戻る間に大嶽にそう訊ねる。
正直、十塚が安藤にした質問はほとんどなんの意味があるのかわからないものだった。それでも、ダイイングメッセージの「牛の首に殺される」という言葉の出どころはわかった。安藤の言っていた書き込みが途絶えた女性も調べれば、新しい情報が得られるかもしれない。
「最悪、これで捜査は打ち切りになるかもしれません」
どういうことだと三月が聞き返すと、大嶽は苦い顔をして呟く。
「十塚紅葉という人は、手段を選びません。解決する最短ルートがあるのなら、それを実行する」
「解決って――私たちの目的はこの殺人の犯人を挙げることですよね?」
「彼女の目的は違うはずです」
それきり大嶽は口を噤んでしまった。
大嶽は警視庁に戻るためにさっさと神田署を出ていった。きっと色々とやることがあるのだろう。三月も溜まっているデスクワークがあるが、こうも時間が生まれてしまうとかえってやる気を失ってしまう。
「というわけで、慈姑いる?」
どういうわけだと悪態を吐きながら、幸也は店の奥を指し示した。
三月はあのあと起きたことを報告するのと、「牛の首に殺される」という言葉の出どころがわかったことを慈姑に聞かせるため、また樹木書店を訪れていた。
「カシマさんが混ざったような話だなあ」
いつも通り本を読んでいた慈姑は、三月の話を聞き終えるとまずそう言った。
「カシマさん?」
「話を聞いた人のところに殺しにくるっていうタイプの話。まあ、そういう意味では牛の首と親和性は高いか。でも、その話に災厄を避ける方法はなかったんだよね」
頷く。安藤の話では話を聞いた者のところに現れ、殺す。それを防ぐ方法があれば、安藤はそれにすがっていたはずだ。
「カシマさんには、災厄を避けるための文言がある。それを知っていれば助かる。知らなければ助からない。これは話を最後まで聞くことを強制するための圧力と、『知っている』ことが助けになるという優越感、それに話を共有するという協調性――要は話の拡散者の持つ悪意が端的に表れてる。でも、この話にはそうしたギミックがない。不安を煽るだけの、純粋でタチの悪い悪意の塊みたいな話だ。まるで――本当に人を殺すために作ったような」
慈姑はいつもの倦み疲れたような表情のままだが、その一言には少しだけ、普段と違った感情が込められていた。
「というか、こんなこと僕に話して大丈夫なの?」
それまでの話を打ち切って、慈姑は三月を睨む。
「大丈夫大丈夫。慈姑の口が堅いのは知ってるから」
「それは僕が三月以外の人とまともに喋れないからでしょ」
そう言うも、慈姑が三月の立場を危うくするようなことはしない信頼がある。慈姑も自分が絶対に喋らない前提で、三月の軽率な行動を咎めている。
「つーか、宮内庁ってなんだって話だよねー。なんでそんなとこが出張ってくるかな。十塚さんもまるでわけわかんないし」
「ああ、その人、多分陰陽師」
三月はさらりと出された非常識な文言に面食らい、慌てて慈姑に聞き返す。
「陰陽師って、あの? なんで?」
「陰陽師は、陰陽寮に所属する役人の呼び名でしかない。だから今テレビとかに出てる陰陽師を名乗ってる霊能者とか占い師とかは、百パーセント偽物。で、この陰陽寮は中務省に属していて、明治になって廃止された。同じ中務省の図書寮は宮内省になっても続いて、今でも宮内庁書陵部として残ってる。そう考えると、陰陽寮が現代に残っているとするなら、属しているのは宮内庁が一番妥当だよ」
「でも、宮内庁の官僚って言ってただけだし――」
「まず、自分をテクノクラートと言ったこと。ただの役職名の技官ならいくらでも思いつくけど、宮内庁でそんな自称をできる職員なんて、冗談を前提としても楽師か鵜匠くらいしか思いつかない。でも、雅楽の楽師や長良川の鵜匠が警察の捜査に乗り込んでくることは絶対にありえない。そう考えると、宮内庁、宮内省、中務省に属してテクノクラートを名乗れる存在は自ずと限られてくる。次に、安藤勇作を守ると言った時に口にした、『式』という言葉。これは式神のことで、なんらかの呪術的装置を総称する時にも使われる。そうした術を操れる人間だということは間違いないと思う」
まくし立てる慈姑に、三月はなんとか待ったをかける。
「つっても、陰陽寮って廃止されたんでしょ? そんなもんがあるんならもっと話題になってるんじゃ――」
「うん、陰陽寮なんて現代にはないよ。どこにも存在しない。そういうことになっている」
「裏――ってこと?」
「しかも国の中の、ね。相当やばい相手だと思うよ。まあ多分、大嶽さんっていう人は知ってると思うし、十塚さんっていう人も隠すつもりはそんなにないと思うけど。自分を宮内庁のテクノクラートって言ってる時点で、察してくれって言ってるようなものだし」
自分がとんでもなくややこしい事態に巻き込まれているのだということを、今さらながら三月は理解した。
しかし、十塚はなぜ三月を特捜から引き抜いたのか。大嶽は以前に十塚と仕事をしていたというから理由はあるとして、三月は大嶽と組んで神保町の事件の捜査に当たっていただけだ。まさか「牛の首に殺される」という言葉の一致に着目していたからというわけではあるまい。
となるとやはり――三月は暗澹たる気分に陥りそうになるのを振り払うように、努めて明るく声を上げた。
「じゃあ明日、十塚さんに直接聞いてみるか」
「うん。三月が馬鹿じゃないって示せるから、いい牽制になると思う。あと、僕のことは黙っておいてよ」
「え、大嶽さんには今朝ここにくる前に話しちゃったけど」
それを聞くと慈姑は見るからに不機嫌そうに眉を顰めた。
「名前は出してないよね?」
「知り合いに牛の首に詳しい奴がいるからちょっと話聞いてきますってだけ」
「まあ、その程度なら大丈夫か」
まるで自分のことを知られると問題があるかのような口ぶりだ。慈姑が三月以外に心を開かないことと、三月が捜査情報を慈姑に明かしているという大問題を考慮してのことだろうが、それにしてはやけに慎重すぎる。
いずれにせよ、慈姑の存在を明かすことは三月の守秘義務違反を公けにすることになる。三月も自分の立場は可愛いので、口を割ることはない。
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