概要
時は1900年12月31日。
あと数時間で19世紀が終わる。
「20世紀」とはどんな時代になるのだろう。
*19世紀後半から20世紀前半、上海に実在した「申報館」という新聞社を舞台としたフィクションです。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!世紀末の上海租界を舞台にした出会いの物語
まさか申報館を舞台にした物語をカクヨムで読めるとは。
物語の舞台は1899年、19世紀最後の日を迎えた上海租界。あるユダヤ人の新聞記者が亡命者らしい美少年と出会うという内容。
世紀の変わり目、時代の転換点に生きる者たちは、なんと力強く、そして哀愁が漂っているだろうか。
感嘆すべきは著者の力量。オスマン帝国をメインテーマとして書いているだけはあり、しっかり下調べしている。(上海のユダヤ人がテーマとは……なかなかにコアな部分を突いてきた!って感じ)
あわよくば「上海租界のユダヤ人」というテーマをもっと深堀りして、義和団事変と絡めつつ、長編で読みたい!
ぜひ二人の物語の続きを!再見! - ★★★ Excellent!!!激動の上海を舞台に、ジャーナリズムを通してつながる二人の男たち
時は近代、19世紀から20世紀へと世界の空気が塗り替えられる、まさに激動の時代。
多くの外国人達が集まる国際都市・上海では、文化的・経済的なエネルギーが集うだけでなく、治外法権を盾とした言論の自由がまかりとおる独特の気風がありました。
そんな上海でイギリス人が創立した新聞社「申報館」で記者を務める主人公・金申叔。世紀が変わる瞬間の感慨に彼がふけっているところに、突然見ず知らずの東洋人の男が訪ねてきます。
美貌をもつその青年が追われる者であることを見抜いた金申叔は、かつて自分が書いた政治批判の記事に思いを馳せつつ、その青年の身の上を聞くことに。
自らの生い立ちや信念、ジャーナリストとして向かう…続きを読む - ★★★ Excellent!!!上海で世紀を越えていく若者たち。
英国籍を持つユダヤ系の主人公ゴールドマンは、共同租界の置かれた上海で「申報」の記者をしている。この、家業と家族に屈託した思いを抱えた一人の「デラシネ」は、朝鮮より亡命して来た一人の青年と出会う。朝鮮の青年は謎めいた問いを発し――。
魔都とも称される近代「上海」を舞台にし、二人の若者が新しい世紀を迎える数時間を描き、流転の魂の哀しみと新時代の希望を感じさせる、手堅い歴史小説。なお、主人公の勤める新聞社「申報館」は実在していたものである。
これから彼等は上海に根を下ろして生きていくんだろうか、それとも再び流転していくんだろうか、と彼等の人生の続きをもあれこれ想像もできる。
最終話で語られる、あ…続きを読む