世紀末の上海租界を舞台にした出会いの物語

まさか申報館を舞台にした物語をカクヨムで読めるとは。
物語の舞台は1899年、19世紀最後の日を迎えた上海租界。あるユダヤ人の新聞記者が亡命者らしい美少年と出会うという内容。
世紀の変わり目、時代の転換点に生きる者たちは、なんと力強く、そして哀愁が漂っているだろうか。

感嘆すべきは著者の力量。オスマン帝国をメインテーマとして書いているだけはあり、しっかり下調べしている。(上海のユダヤ人がテーマとは……なかなかにコアな部分を突いてきた!って感じ)
あわよくば「上海租界のユダヤ人」というテーマをもっと深堀りして、義和団事変と絡めつつ、長編で読みたい!
ぜひ二人の物語の続きを!再見!

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