概要
そんな陽子の前に1人の男が現れる。髪をクリスマスカラーに染めた、自称キムタク似の彼は自分のことを「DEATH(死神)」だと言った。そして、彼女に「ある選択」を迫ってきた。
クリスマスイヴの夜に死ぬか?
それとも、選ばれた存在として生き長らえるか?
死の淵に立った陽子に課されたのは「命の選択」。
彼女は決めなければならない。生か死かを。
そして、乗り越えなければならない。過酷な運命を。
クリスマスイヴを舞台に、女検事と死神が織り
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!死神VS女検事の命を賭けたバトルが始まる!
通り魔に襲われて、瀕死の重傷を負った女検事の伴陽子。
意識不明のまま病院のベッドに横たわっていた彼女だったが、そこへ死神を名乗る怪しげな男が現れる。
その男は特別な魂を持つ彼女に生きるチャンスを与えると言う。
髪をクリスマスカラーに染めた死神・シャール(自称キムタク似)は、饒舌で一見気さくに見えるが、彼が陽子に突き付けた甦る条件はほぼ達成不可能なもの。
しかもいくつかの偶然が重なり、陽子に甦りのチャンスが訪れるとあらゆる手段と屁理屈でそれを邪魔しようとする。
そうなってからが物語は本番。陽子が甦らないようにあらゆる詭弁を弄する狡猾な死神と、その論理の粗を見つけ猛烈に追及する敏腕検事。
命…続きを読む - ★★★ Excellent!!!ヒロインと◯◯の法廷論争が凄く面白い!
RAYさんは法学部出身ですか?法廷論争の遣り取りを、食い入るように読みました。この遣り取りだけでも面白いです。
◯◯が豹変するところも意表を突かれました。◯◯の登場の仕方に油断してました。
それと、キーパーソンが◇◇という設定にも、意表を突かれました。てっきり、△△の方だとばかり思い込んでいました。
振り返ってみると、ベタな展開だなぁと思わせながら、フェイントを仕掛ける所が、この作品の唸らせる魅力でもあります。
RAYさんの作品では「小学生」と「エレベーター」を読みましたが、文字数の有る方が本領を発揮するタイプじゃないですか。食わず嫌いにならずに、他の短編も読んでみるつもりですが、まずは長編…続きを読む - ★★★ Excellent!!!イヴの夜の奇跡
文章に少し固さがあり、論理的にお話が進むのかなと、序盤はそう思ってました。
もちろん、固いからといって読みにくさや退屈さを感じることはありません。
むしろ、論理的に整理整頓された文章が、心地よくスッと頭に入ってきます。
序盤は淡々と物語が進むのですが、後半には熱い対決が待ち受けてます。
その熱さたるや、アクション小説のバトルや、スポーツ小説の接戦にも匹敵します。
台詞同士のぶつかり合いだけで、この熱量を出せるというのは、ものすごいです。
どれくらいすごいかというのは、読んでいただければお分かりいただけます。
そしてストーリー自体も綺麗に纏まっていて、終盤は感動の連続です。
必ずハンカ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!死神と検事の命をかけた法廷闘争。重ねられる友と少女の絆に涙します。
法律をからめた斬新な物語に圧倒されました。
シャールの提示した選別。さまざまな縁に希望を抱くけれど、希望が見出だせない主人公の心理描写が絶妙です。
言葉を武器に戦う検事ならではの物語。のらりくらりとした死神との争論は戦闘描写と言っても過言ではないくらい熱く、手に汗を握ります。
そこでまた裏切るの!?と思うほど気持ちが沈んだ頃に現れる純一郎とサラ。ネタバレになってしまうので言及できませんが、そこからラストまでの流れ……大好きです。
あぁ、サラいい子です。悲しくて、切なくてなっちゃいます。
最後の光明を読んで心がスッキリとしました。
卓越した物語に勉強させて頂きました。そしてなにより素晴らし…続きを読む - ★★★ Excellent!!!ここまで手に汗を握らせるなんて……読めば納得しますぜ!
圧巻!!
この言葉以上に本作を一言で語れる言葉をご存じであれば、教えてください。
瀕死の重傷を負う検事、陽子は、見た目も会話もチャライ死神に、生死を分けるイベントに参加を促さられる。
そのイベントが、この物語の基本骨格です。そこで検事である陽子の本領が発揮される、裁判さながらの劇が繰り広げられるわけです。
徹底的に調べられた法曹用語がウルサイかと言えば、むしろ物語の潤滑油のごとく活用されており、リアリティを読み手は持つことができます。これは重要ポイントです。
それになんといっても、ウイットに富んだ会話はそれだけでも面白いときてます。
ラストシーン。
これは、ここまで読まれたかたなら…続きを読む - ★★★ Excellent!!!死神が炙りだす人の生き様と生き方
なぜ主人公は検事でなければならないのか。それが知りたくてこの作品を読み始めました。
その答えは、二つ用意されていました。一つは、死神との対決方法そのもののため。もう一つは、死神と対等に対峙するに足る魂を持つ存在であるために。
クライマックスに向けての伏線が縦横に張り巡らされた、重厚なストーリーです。死神というファンタジックな存在を通して、「人生の選択」という現実世界における深いテーマが突きつけられます。
読者の年齢によって、この作品から受けるインパクトは様々かと思いますが、「エース」読者層よりはるかに年上の私は、死神を前に震えながら己の人生を振り返るような心境に至りました。とても考えさ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!死神を物語の軸に据え、リアルとファンタジーが巧みに結び付けられたドラマ
ジャンル的にカテゴライズするのが非常に難しい作品ですが、強いて言うとファンタジー要素のある現代ドラマでしょうか。
リアルとファンタジーの相反する要素が、「死神」という存在を軸にして結び付いているお話です。
また、作中では事前に死神側から提示されるルールに則って、様々な論理が展開されたり、それ自体がストーリー上の伏線になっていたりする箇所もあるので、ファンタジー系ミステリ的な読み方もできるかもしれません。
前半部は、ディケンズ『クリスマスキャロル』とかゲーテ『ファウスト』みたいな雰囲気を連想したのですが、後半部の死神との舌戦には法廷物の小説とも異なる、一種独特なノリがありますね。これもファン…続きを読む