狐のユッコの大冒険

第31話 エピローグ

　「ただいま！　フェン。元気（げんき）にしてた？」

　私（わたし）は異世界（いせかい）転移（てんい）魔法（まほう）で元の世界（せかい）に戻（もど）ると、ちょうどそこに銀狼（ぎんろう）のフェンがいた。

　「ユッコ！　ユッコユッコユッコ」

　驚（おどろ）いたフェンが私（わたし）の名前（なまえ）を連呼（れんこ）しながら突進（とっしん）してくる。

　ちょ、ちょっと落（お）ち着（つ）いて、ね？

　「心配（しんぱい）し……、いや心配（しんぱい）はしてなかったけど。どこ行ってたんだ？」

　「ちょっと異世界（いせかい）までね」

　「はあ？　異世界（いせかい）？　……ユッコならありうるか？」

　すっとんきょうな声（こえ）を上げたフェンだったが、妙（みょう）に納得（なっとく）したようだった。

　「でね。フェン。ちゃんと聞（き）いてね。……私（わたし）ね。向（む）こうの世界（せかい）でもお友達（ともだち）できたから、これからこっちと向（む）こうと行（い）き来（き）して生活（せいかつ）することにしたの」

　「え？　ちょ、ちょっとまてよ？　じゃあ、ここのユッコの家（いえ）はどうすんの？」

　「いない間（あいだ）はあんたが管理（かんり）しなさい。みんなのリーダーもよ。いい？」

　フェンはいやそうに、

　「えー！　めんどくさい。……けどわかったよ」

と言（い）う。

　「だってよ。古代竜（エイシェント・ドラゴン）のじいさんが死（し）んじゃってから、張（は）り合（あ）いなくしたみたいに、ユッコ落（お）ち込（こ）んでたもんな。……俺（おれ）はそんなユッコも見たくないし。今は生（い）き生（い）きしているみたいだ」

　そっか。フェンのくせに良（よ）く私（わたし）を見ているじゃないの。

　ちょっと恥（は）ずかしくなった私（わたし）は、照（て）れ隠（かく）しで、

　「というわけで、すぐに向（む）こうに行くから、あんたの子供（こども）を見せなさい。……もう生（う）まれたんでしょ？」

　「……なぜ知（し）ってる？」

　「答（こた）えはわかってるでしょ？」

　すると私（わたし）とフェンの声（こえ）が重（かさ）なった。

　「「私（わたし）（ユッコ）だから！」」

　さあ、フェンのかわいい子供（こども）につける名前（なまえ）。何にしようかなぁ。

　私（わたし）は、行ったり来たりするこれからの生活（せいかつ）を思って、心がウキウキしながら、フェンの家に向（む）かった。

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これでユッコの大冒険（だいぼうけん）は終（お）わりです。

最後（さいご）まで読（よ）んでいただいてありがとうございます。

次は、なろうで連載中の作品の新章の執筆に取りかかる予定です。

そのうち、またカクヨムでお会いしましょう！