第4話 危機《きき》の知《し》らせ
村への帰り道。
森に入ってからずうっと
……気になる。
立ち止まった私を見て、いっしょに歩いていたソアラが、
「うん? なにかあったの?」
と私を見おろした。
「クウン」
とないて、気配のする方を向く。
「あっちの
ソアラはうなづき返すと、
「みんな。私はユッコと様子を見てくる。ここで
と言い、「行こう。ユッコ」と気配のする方へと歩き出した。
おおよそ500メートルほど
そこにあったのは、
「ほこら? ……聞いたことないわね」
ソアラは首をかしげながらも、ほこらの周りに
私はそう思いながら、すたすたと
そよそよと風が枝を
まるで
「あ。こら。ユッコったら、まだ
と言いながら、ソアラもやってきたけれど、ちょっとだけほこらをながめて、
「でも危険はなさそうだね。ちょうどいいからみんなも呼んできて、ここで
そういってソアラがみんなを
一人になった私はそっとほこらを
――この感覚は……。
どこか
はるかな昔、まだ私という
そのとき後ろから、
「あっ。……こんなところに、ほこらなんてあったか?」
とエドワードの声がする。
コハルがしゃがんで
「ユッコ」
と私の名前を呼ぶ。そっとコハルのところに戻ると、コハルがそっと私を抱っこしてくれた。
――そのとき、私の
ほこらを中心に思い思いに座り、みんなが
ヒロユキが、
「で、このほこらって何のほこら?」
と
ソアラが
「さあて何だろうね? でもこういうのは
と
「よく言うでしょ? さわらぬ
と言い
「ふぅん……」
とほこらを
エドワードが、
「ま、でも村に戻ったら
と言うと、ソアラとリリーがうなづいていた。
「このほこらの
とぼそっとつぶやいた。
――――
ほこらを
村へと入ると、なにやら村の様子が
エドワードが、
「なんだ? なにかあったのか?」
とつぶやくと、きっと
「
みんなの
うん。とくに近くに危険な感覚はないけど……。
私も、ざわつく心にどこかあせりながら、コハルの横を走った。
冒険者ギルドの前の
ギルドの入り口のところにギルドマスターの
ギルマスはヒゲの引き
ギルマスは、私たちを見て、
「おう。お前ら
とニカッと笑った。
そのとなりで
「ロナウド
と
その場が
「それでは集まっていただいた
と
女性の
「今から二時間前に
とたんに村人たちがざわめきはじめた。私の頭上でもフランクさんが、
「400匹だと?」
と
400匹か。
そんなことを考えていると、
「みんな! 聞いてのとおりだ。
……でだ。そうすると
ギルマスのロナウドの
誰かが、
「
とたずねると、村長が、
「すでに
「ソルンに?」と
「みんなも
……はっきりいって村を
と言う。
「
「私たちは?」「ここを捨てるのか!」
「
と目をクワッと開いて
村長が、
「みなの
……だがの、オークは400匹。しかもオークキングがいるとなっては、この村の
それにソルンの
ギルマスがつづいて、
「
と
つづいて秘書の女性が、
「冒険者はこの
と言う。
人々がさわぎながらあわてて自分の家に戻っていく。その場に
ギルマスのところに集まると、
「わりいな。みんな。
そのほか、ギルマスの説明によれば、ギルドで
1台は村長とギルドの
私たちのパーティーからは、フランクとソアラが行くことになった。
フランクは
エドワードはさすがにリーダーなので行かせられない。
ゴンドーとともに自分たちの馬車に
そして、リリーとヒロユキ、コハルの三人は
エドワードがフランクとソアラに、
「いいか。気をつけろよ。
と言うと、二人とも
「
とうなづいた。
私がだまってソアラのそばに行くと、コハルが
「ユッコ……」
と心配そうにつぶやいた。
ソアラが私を
「ユッコも
と言うので、私はだまって
ソアラはうれしそうに、
「
「ユッコ。
「うん。ソアラもユッコも気をつけてね」
それから、私はフランクとソアラと
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