「現代の寓話」を含む小説

風雲急を告ぐる都は嗚呼、名にし負うその平安より何と縁遠きことであろう。かたや祇園林の鴉、林真玄（はやしのさねはる）、こなた賀茂は糺の森の白鷺、津守正素（つもりのまさもと）……両者…

話がふくらまなかったもの、オチのないもの、趣味に寄りすぎたものなど、いろんな理由でノートに眠ってたやつ。 暗め、重めのもの多し。 蟄居――重荷を負って海にやってきた者 明滅―…

太郎とボブが、星新一をリスペクトして、斜め上に会話劇をします。 読むエスプレッソです。 面白いとか参考になるではなくて、読むと自動的に考えるはずです。抽象的だから……。 「…

彼には作曲の才能があった。幼いことから神童と呼ばれ、勉強もせずにひたすらに曲を書き続けた。しかし人生には転機が訪れるものだ。 ※最初に書いたのは『蟻と天才』で、そのあとがきの後…

動物たちが同じ言語で共生してる世界で独善的に生きた者たちの末路を描くオムニバス形式の短編小説。 現代社会における『後悔先に立たず』 相手が何者か知らなくても繋がれる今の社会だから…

電気ポット、実はお知らせメロディーで意志を表示します。 その電気ポットと夫婦のお話。

以前「小説家になろう」のサイトに投稿していた処女作です。 内容は、気分転換の一人旅の男が食べ物屋さんに入って食事をしてたら小さな女の子と出逢うというものです。

室町時代後期に成立したとされる異類婚姻（怪婚）譚「かざしの姫君（菊の精物語）」の現代語訳を試みます。テクストは新日本古典文学大系54『室町物語集 上』所収の「かざしの姫君」（市古…

　しがない探偵事務所を切り盛りしているどこにでもいる中年の男、神代八雲《かじろやくも》は正直駄目な大人の代表格だった。 　暇な日は銀色の玉を打ち込んだり、依頼が無いときはぐうたら…

ヒツジという生き物は、時々思いがけず奇妙な風景を見せる……

現代の寓話

室町時代後期に成立したとされる異類物「桜梅草子（さくらうめのさうし・あうばいさうし）」の現代語訳を試みます。テクストは『室町時代物語大成』５所収の「桜梅草子」（横山重／松本隆信編…

【ショートショート】スピリチュアルの人たちについて、普段から思っていることを書きました。私はこう思っています。

気楽に読めるものをここに置いておきます。

これまでにたったの一度だけ、人を殺めました――そう主張する老人が語り始めたのは、かつての日本の群衆の生き様。

2020年、新型コロナウイルス感染拡大と外出制限がかかる世界で、徐々に死んでいったものとは。

街のそこかしこに白い雲。記憶のそこかしこに白い雲。ふわふわふわふわ夢心地。死のない日常とても平和。

晴ればかりではない日々のなかで少年は一人の女性に出会う。 彼らと周辺の人々がどう生きているかというお話です。

ある春、麗らかな陽の射す通学路で。 私は血も凍らせるような妖気と、身も心も緩むような陽気じみた芳香を纏う歪な怪異と出会った。 ――これは、自分の居場所を探しているかわいいかわい…