青年
シキウタヨシ
……
あるところに
皆にバカだと思われている
青年がおりました。
何故なら、
何を言われても
何ひとつ言い返さなかった
からです。
青年は諾諾と
言われたことに
従うだけだったからです。
ある日
青年がいつまで経っても
起きて来ないので
腹を立てたものが
青年を呼びに
部屋へ踏み入りますと
青年は鴨居に首を吊っておりました。
今まで言われたことへ
彼なりの答えを書いた
書き遺しがありました。
しかし
青年に同情したり悲しんだり
した者はすこしはおれど
態度を改めた者はおりませんでした。
相変わらず
何も言い返さない者を
バカだと言って憚りませんでした。
青年は
全く無駄に
生命を絶ちました。
/了
青年 シキウタヨシ @skutys
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます