カラフル

天球儀ナグルファル!d(*´ω`🎀)

    HERO

 その少年はスプレーでセカイに色をつけた。色をつけるのは決まって曇りの日か夜。

少年はセカイを救う意志をもって真面目に遂行した。

そう少年は真面目だったのだ。真面目でとても感じやすく、そして彼なりの正しさでセカイへ挑んでいた。

曇った空は曇ったままだった。

夜も塗り替えれなかった。

街のトンネルや白い家の屋根。黒い看板などは色彩を帯びた。

グラフィティアート? いいや。別段何の形でも図像でもなくただただ色がつめこまれているだけ。

彼はTVの存在を授業で、資料で学んだ。

彼はカラーTVが出てくるまでTVの中だけではなく

事を学んだ。

そして自分より先に灰色の世界を救った―彩色した人生を羨み、憎み呪った。

けれどもまだる。白黒灰色のセカイはまだ確かに存在している。

彼は残りすくない―けれどもまだ救えてないセカイを救いにスプレー缶を片手に今日もかりだす。






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カラフル 天球儀ナグルファル!d(*´ω`🎀) @ZERO0312

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