神さまとコロナ

山田貴文

神さまとコロナ

信心深い男が祈った。

「神さま、人類をコロナ禍からお救いください」


すると、神さまが現れてブチ切れた。

「だから、これまでになかった技術で効果絶大のワクチンを考えられないほど短期間で世に出したではないか。これ以上、私にどうしろというのだ?」


「えっ?」


「おまえらスピリチュアルの反ワクチンどもは自分が打たないだけならまだしも、あろうことか、やれ5Gだ、Wifiだ、不妊だ、治験が終わっていないとデマをまき散らし、私の仕事を妨害しているではないか。まさに神をも恐れぬ所業」


「いえ、そんな」


「みんなワクチンの副反応は嫌だが、自分が感染者となった際にまわりへうつして迷惑をかけないために接種しているのだ。おまえらスピリチュアル連中にそんな発想はないだろう?自分のことしか考えていないからな。そういう生きざまだから神仏にすがるしかない人生を歩むのだ。まあ私が言うのも何だが」


「・・・・・・」


「私の立場に立ってみよ。なんで日夜献身的に働く医療従事者や世界の指導者を含む接種済み数十億人をワクチンで皆殺しにして、役に立たない反ワクチンのおまえらを生かしておく必要があるのだ?逆ならまだしも」


「ぎ、逆・・・」

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神さまとコロナ 山田貴文 @Moonlightsy358

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