「灯籠」を含む小説

毎年お盆に呼ばれる母の生家は、広い庭と 鯉のいる大きな池、そして黒い仏壇が一つ 置かれた小さな『離れ』がありました。 宵闇の中に幾つもの盆灯籠が灯る。 彼岸に渡った者達が決して迷…

「四谷怪談」「皿屋敷」に並ぶ日本三大怪談、「牡丹灯籠」。 知っていそうでだあれも知らない、この魅力溢るる作品には一つの「謎」があった。 日本有数の牡丹灯籠を語れる人物を自称する筆…

訳あって人の姿をした妖ばかりが暮らす世界・常世の国で、大昔に死んだはずの八岐大蛇によるものと思われる連続惨殺事件が発生。 その頃、人間の子でありながら常世の妖に囲まれて育った青年…

走馬灯とは、回り灯籠とも呼ばれ、内外二重の枠を持ち、影絵が回転しながら写るように細工された灯籠の一種である。中国発祥で日本には江戸中期に夏の夜の娯楽とされた。 ……だそうだ。走る…

青春時代に観た映画『太陽がいっぱい』の主演俳優アラン・ドロンの訃報を知り、筆者はその思い出を振り返ります。映画の美しい映像と音楽、そして監督ルネ・クレマンの巧みな演出が心に深く刻…

年上の女性を連れて、町のお盆祭りに行く男子高校生の話。 さいかわサマーダッシュ参加作品。 落語の「牡丹灯籠」「応挙の幽霊」オマージュ……のつもり。

京都の夏の終わりは、祇園祭の賑わいが静けさに変わる時だ。この街に生まれ育つ人々は、愛する者の魂を慰めるためにお盆の準備を始める。主人公の美咲と娘の由香は、失われた祐介への愛と記憶…

九曜と雪上は小笠原教授の年末の大掃除を手伝っていた際に、教授が保有していた、とある古い資料を見つけ、寒蝉寺の和尚の伝承を知る。 伝承の内容は、昔々、寒蝉寺にいた和尚が、殿様の不況…

伝説の幽霊三人娘──。 『四谷怪談』の〝お岩〟──。 『牡丹灯籠』の〝お露〟────。 そして『皿屋敷』の〝お菊〟──。 彼女達は腐れ縁の交遊関係のまま、現代で暮らしていた。 古…

夜な夜な訪れる女の亡霊。暗黒魔界からの訪問者…… 遠く暗い冥界から愛する男の部屋へ……

上野公園には、まるでお化けのように大きい灯籠（とうろう）がある。高さ6.06ｍ、笠石の周囲3.36ｍ。この灯籠を寄進した者を佐久間勝之という。勝之はかつては蒲生氏郷の配下で、伊達…

夫の浮気現場を目撃した主人公。彼女は、動揺のあまりとある化粧品売り場に駆け込んだ。売り場の美容部員は、経済DVにより身なりを整えることもできない彼女にお試しメイクを施す。 気乗…

その家には三百年に一度、忌み子と呼ばれる女児が生まれる――。 龍神の力を鎮める神鎮の家系、廻神家の屋敷に連れてこられた忌み子・翼妃。廻神家で始まる地獄のような日々の中、翼妃は…

既発詩集の中から、自作曲の歌詞を兼ねた5篇を抜粋してまとめました。掲載楽曲の動画は映像なし/音声のみです（ボーカロイドによる歌唱付き）。なお、動画の収益化はしておりません。 ◆…

詩集『恥晒しポエジー或いはサイバー灯籠流し』収録の340篇から自選した悲劇と喜劇を交互にお届けします（書き下ろしあり）。鬱屈しすぎておかしくなっちゃった人の生(なま)の感情です。…

若くして儚く逝った玉菊をしのんで、吉原の妓楼では軒ごとに美しい灯籠を吊るした。それが明治の世まで吉原名物の灯となった「玉菊灯籠」である。

徹也と大樹は値打ち物の、かんざしが寺にあることを知る。売って金にする為に、かんざしを盗むが、彼らの後を不気味な影が追いかける……。 公式自主企画【8/10～8/24募集】「ご当…

地元の工場に勤務する20代の女性は、毎晩のように月を眺めては、自分の生き方に疑問を抱き、けれど、このまま何も変わらなければいいとも思っていた。　 　 ※この作品は縦書き表示を推奨…

縁日である八月二十日。章生が住む海辺の町では、灯籠流しが行われる。 ※若干インモラル気味です。