「さいかわ」を含む小説

――世界が変わるのに、兵器はいらなかった。 　今から約１００年前。突如として現れた異形の魔物〈アンヴァー〉に対し、人類の科学は無力だった。核兵器すら効かぬ絶望を救ったのは、異次元…

心に決めたただ一人の女性を失い深い傷を負った青年、如月晃一は異世界で心から信頼できる仲間と出会い、ある目的をもって日本に帰還した。その目的は会社を設立して大金を稼ぎ、異世界の仲間…

夏休みのある日、今日は神社でお祭り。 一緒に行こうと部活の先輩に声を掛けられるが断った。 その理由は、従姉弟のお世話係になったからだ。 わんぱくな従弟の唯織と従妹の朱稀の好意に気…

妻は、干からびたミイラの手首を握りしめたまま死んでいた。 夫・沖陽一の周囲では、それを境に不可解な現象が立て続けに起こり始める。 同じ頃、借金まみれの男・黒瀬哲夫は「住んだら必ず…

『【俺氏】なんかダンジョン作れるようになったからめちゃくちゃにしようぜwww【最強になる】』 ある日急に、【迷宮管理者】なるダンジョンを作って運営できるスキルを……あろうことかそ…

鎌倉時代末期、元享二年（１３２２年）初夏。得宗（執権北条家）被官（ひかん）の兵衛（ひょうえ）は、辰砂（しんしゃ。薬、赤の顔料）を売るために、六波羅探題の命を借りて渡辺党を討つ。代…

侵略者は静かにやってきた。それと気付かせずに。主人公と穏健派はそれに抗う。

青蟹記[セイカイキ] 話すカニを捕まえた男の顛末。 『第二回さいかわ葉月賞』『円城塔賞』参加作品。 字数：7000字

　卓海(たくみ)はお盆の墓参りの帰りに、学生時代から秘かに想いを寄せていた元バイト先の先輩・芙蓉(ふよう)と偶然再会する。 　彼女と別れた後、一人の男性がこちらを見ていることに気…

パーティー会場にて、公爵令嬢ヴァイオレットは、王太子であるダッサムから婚約破棄を宣言されていた。 どうにも、異世界から転生してきた聖女様を、ヴァイオレットが苛めたことが原因らしい…

「おかしな夢を見たよ。赤羽町の太平洋ロングビーチでぼくはのんびりしていた。水面が黄金に揺れててさ。あれだね、春の海ひねもすのたりのたりかなの心境になっていた。与謝蕪村だよ。そした…

拙作の作品集ですが良ければ読んで頂ければ幸いです。1話1話の繋がりは基本的にございません。書いた順に投稿している為、最新話になるにつれて読みやすくなるかと思われます。作品によって…

　久我(くが)は彼女のみちると共にさくら祭りが開催されている公園で花見を楽しんでいた。 　そんな中偶然、久我の大学時代の友人である市川に出会う。 　市川を交えて楽しい時間を過ごす…

心配そうにするエリカのまぶたが、下から上にあがる。 イグアナの目だ。 モモとエリカは、ふたりで遊園地にあそびに来ていた。 この遊園地、どうやら様子がおかしい。

王都を結界で守護する次期聖女に選ばれたポラリスは、両親から虐げられていた。 母に部屋に閉じ込められたポラリスの前に、聖女を守護する守護騎士となる美しい妖精烏(ようせいからす)の…

清らかな魂に、最期の安らぎを与えるお仕事をしている「オレ」。 いわゆる、天使とか、死神とか、そういうやつ。 本日は、新人研修の教官として、モンゴル出身のネルグイ君と組むことに。 …

　私が幼い頃はこんなにも暑かっただろうか。 記憶は定かではないが、まだ幾分マシだったようにも思う。 猛暑、酷暑、夏日、真夏日、猛暑日、過去最高気温記録。 私達が耳馴れてしまう間に…

僕は心の雨にただただ、洗い流されていた。 周りの人たちみんなが汚した心は、いつまでもいつまでも綺麗にはならない。 心の雨と、志の雨。 君がいてくれるだけで、僕は幸せだ。

花火を観に行ったら観れなかったという話。 犀川 よう様の自主企画に参加作品です。 【新作のみ】第二回　さいかわ葉月賞　テーマは「夏」 https://kakuyomu.jp/…

「今日もまた、お腹いっぱい食べられる」。そのささやかな幸せは、人口が百億を超え、深刻な食料危機に陥った世界では奇跡だった。人口爆発と飢餓の連鎖に、政府は〈代謝適正化ワクチン〉とい…