概要
水面が黄金に揺れてさ。十数頭のカバが海辺に現れて、泳いでいるじゃないか
「おかしな夢を見たよ。赤羽町の太平洋ロングビーチでぼくはのんびりしていた。水面が黄金に揺れててさ。あれだね、春の海ひねもすのたりのたりかなの心境になっていた。与謝蕪村だよ。そしたらさ、なにが起きたと思う。カバだよ。十数頭のカバが海辺に現れて、およいでいる」
第二回さいかわ卯月賞・円城塔賞用短編
文字数:4000字
第二回さいかわ卯月賞・円城塔賞用短編
文字数:4000字
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!河馬を侮ってはならない。
まさかの…河馬!!しかも徒党を組んで
沢山の河馬たちが太平洋の大海原から
上陸しては、長閑な町を蹂躙する。
妻が「少しも面白みがない」と嘆く
キャベツ畑や、サーフィンが出来る海が
近い鄙びた小さな町に続々と河馬たちが
押し寄せる。
これは怖いですね。と、笑いながら。
怪獣映画よりも余程現実味のある話。
海から上陸した河馬たちは思い思いに
路地を占拠し駐車場に屯し、物凄い速さと
勢いとで何処までも追いかけて来る。
妻との価値観の違いに、漠然とした
戸惑いと不安未満の想いを抱えて。
河馬という動物を我々は誤解している。
奴らは、のんびりした見た目だけれど実は
獰猛で泳ぎも走りも結構…続きを読む