「和風 不思議」を含む小説

「人の子は今日、待ち人と出会えんかもしれん」――夏休みを利用し、年上の友人である蓮花のもとを訪ねた暁更紗は、駅で出会った黒尽くめの男にそう告げられる。路地で見かけた不思議な光に誘…

「あなた、一体どこのだれなの？」「さあ、誰だろうな」 加茂の社の娘・沙良は、八つで奥宮殿にあがった。沙良の母は、娘を自分と同じお役女官にと考えているようだが、人見知りの沙良は御所…

誰もを魅了する美しい容姿を持った少年、琉霞（るか）は、病に倒れた姉を助けるために、不思議な力を持つという『くちなしの乙女』に会いに行く。 そこにいたのは、梔乃（しの）と名乗る人形…

ここは日の出づる国日本のあったかもしれない”もしも”の世界。 人は神と袂を分かたず、依然この国は神と人が共存している。神が人間のように水を飲み肉を食らい、そして人間のように死ん…

物理で解決する霊障退治屋チェシャ猫と、ハイテンションとウルトラポジティブで霊障を跳ね除ける女子高生の、アクション&サスペンス&ちょっとホラーな非日常的日常! 『レイシー』。 そ…

とある坂にある大学に編入してきた男子大学生。日々を過ごしていくうちに不思議な人たちに囲まれていきます。そこでの出会いと学生生活と、ほんの少しの非日常。 人とのつながり、出会い、経…

「私は、私の正体が知りたいんだ」 “自分の正体”を探して旅する美しい薬師の男、朧。そんな彼に出会い、救われ、傍に在りたいと恋慕う妖鳥の少年、椿。 ひとところに留まることなく続…

　売れない物書き、鉄は下野国山中の荒野で道に迷ってしまう。そんな彼が見つけたのが、枯れすすきが生い茂る荒野にポツンと佇むうどん屋『せっしょう亭』。 　それだけでも奇妙なのに、今度…

どこで世界は間違ってしまったのだろう。 地下に生きる『おたま』こと玉ノ井真由は、『疎開』と称して、ある日田舎の地上で寮暮らしをすることになる。 『田舎』に向かう途中で出会った奇妙…

人の目に映らない物ノ怪を討ち、迷える霊を導く『綾貸師(あやかし)』の少女、驪玖(りく)と晶(あきら)。 綾貸師の能力以外何もかもで幼馴染の晶に劣る驪玖は、彼女への好意を抱きつつも…

高校2年生の主人公の花菜は夏の暑い日、学校からのいつもの帰り道で、奇妙な体験をする。強い風が吹き目を閉じた花菜。目を開けたらそこは不可思議な異世界だった。 そして始まるは悲しき…

幼き少女リーゼロッテが迷い込んだのは、時間も場所も越えて自由に移動し続ける「移動博物館ティーセット」 そこにいたのはダンディな西洋紳士、不器用なアラビアン青年、明るい和風少女の三…

夕暮れ時。共に名も無い絵師と少年の、落日までの短い邂逅を描く。

人の世界と不思議な世界の狭間（はざま）で生きる女、香夜（かや）は様々な壊れた『物』を直す力を持っていた。人のみならず、神や妖（あやかし）が大切にしている物を守る為に、香夜はそ…

代々続く神社。その巫女である綾織雫由(あやおりみゆ)は幼い頃から祖母に言われていた言葉があった。山にひっそりと佇む鳥居は危険が潜んでいるという言い伝えがある。『あの山は山神様に守…

不慮の事故で片腕となってしまったハンデを乗り越え、日々リハビリを兼ねた修行に励む、神楽木迅人。 道場で師範の一人として、武術の修行をしていた経験を活かし、不思議な力を持つ甲冑と…

　山深い科野の国に住み着いている鬼。 　彼はある時、山道を行く一団を襲う。 　圧倒的な鬼の力を前に護衛である武士達は逃げ出した。 　そして、彼らが置いていった物を奪っていく。 　…

昔、ある土地で人に悪さをする龍がいた。 龍は嵐と雨を呼び、その地の人々を苦しめていた。 嵐で家は壊れ、大雨で畑は流され、長い雨天で病に罹る者が続出した。 人々が困り果てたそのと…

【第2回角川武蔵野文学賞　武蔵野×一般文芸部門　参加作品】 絽の着物に身を包んだ百花《ももか》は、真夏の三鷹駅を下り、大茶会の会場に向かいます。 田舎者の自分には、東京のお洒落な…

文明崩壊から1800年。大地は多くが水没し、正体不明の朽ちた残骸が散乱し、クジラは空を泳ぐ。そんな白紙に戻された人類の歴史の歩みは、時を経て色を取り戻そうとしていた。 時は溟治時…