「枯れ」を含む小説

あいつのこと好きなんだけどなあ

百合です。

繊細な人間だった。 まるで、叩くと儚く割れるガラスのような。 ―――境界線、この世の果て。 その向こう側にいる彼女に、手が届かない。 グラスに注がれるは、蕾の朝顔、枯れた光。 …

人並みに生きられなくて、社会の端で枯れていく人々の、明日には忘れてしまう短編集

牧場シュミレーションや農場趣味レーションにのめりこみ、前世で衰弱死してしまった北条咲菜（ほうじょう　さくな）は生と死とのはざまの世界で異世界の女神様と出会う。 『女神になって、…

　福原サキはとある神社の５２代目の福の巫女。毎年節分に鬼を豆で追い払っている。１月の下旬に鬼と今年の節分の準備の話し合いをしていると、鬼が豆よりチョコが欲しいといきなり言い始めた…

四編からなります。ところどころミステリーの要素があります。 あかときの恋　秋人は朝顔市で枯れそうな朝顔を買って帰ります 深夜の捜索　彼女の沙良が誘拐されます 真実の口　ポスドクの…

　寝ぐせ――それはぼくにだけ伝わるメッセージ。 　面倒になって放置された碧依のだらしのない寝ぐせは、両親が出張し、かつ家事が面倒になったタイミングを示すもの。 　だから今日、ぼく…

雨宮朱雨(しゅう) 雨宮吏滝(りる) 紫陽花と言えば何色を思い浮かべますか。 青やピンク、緑、白が有名ですよね。 日本では青や青紫が多いと思います。紫陽花は土壌のph値によっ…

きれいな母親、きれいに整えられた家。 私は、とても恵まれた環境にいる。 それなのに、彼女の方が幸せに見えるのは、なぜだろう。

テレーゼ・シュタイナーはシュタイナー侯爵家の病弱な長女。 という設定の娘。 涙から金や宝石が生まれることから家族に虐待されて育っていた。 16年もの月日の中で彼女の心は枯れ果てて…

『害蟲』と呼ばれる怪物との争いによって大地が失った人々は、巨大樹にしがみつく形で、大空の下と無限の雲海の上に新たな世界を築き上げた。 そんな世界でレストランを営みながら害蟲退治を…

頭の中のイメージのみで絵が描けてしまう時代。 主人公のフェイミーは三歳で皆から称賛される絵を描き、天才として崇められる。 母は彼を俗世間に触れぬように気を配り、その感性を長ら…

　沈黙が村を噛み締める。 　暗い空の下、項垂れた女性が石段を登ってゆく。 　女性の名はサラ。 　村ではまるで旧約聖書のヨブ記に登場するヨブの如き存在と囁かれ、今は誰からも忌み嫌わ…

　ある山間の小さな村があった。 　その村に住む男、久作は長い間、村の稲を守る祈りを捧げる神職を務めていた。 　彼の日々は決まり切った営みと、徐々に弱る躰と共に重たく、しかし確かに…

　時は平安の世。貴族達が風流を語り合う云わば文化の時代。 和歌、音楽、文字の上手さ…それらは「ステータス」としてかなり重要になっていた。 勿論勉学もそうだが、先程挙げたもの達は当…

はい！　こちらは区役所の妖課です。 え、怪異ですか。不可思議なことが起こってお困り……そうですか。かしこまりました。 私共妖課が、お調べして解決いたします。 人形の怪異が現れた…

四年目の結婚記念日、私は夫に離別の言葉を告げた。 けれどもそれは了承されず、私はその意思が固い事を示すため、家を出る事にした。 その次の日から変わった夫の態度。 「期待するな」と…

！！！下ネタ注意！！！ ！！！下ネタ注意！！！ ！！！下ネタ注意！！！ 悪ノリして悪ふざけで書きなぐりました。ごめんなさい。 神話に語られる魔王の復活。 女神の加護を受け…