紫陽花はしがみつく

抹茶葉

第1話

私の叔父はしゅのお屋敷に住んでいる。

叔父の名前が雨宮朱雨あまみやしゅう であるのと、紫陽花が赤しか咲かないことからきているらしい。

紫陽花が赤なのはこの国では珍しいことで、よく色んな人が観光に訪れていて梅雨の時期は賑やかで陰鬱な気持ちや雰囲気が飛んでいくようだ。


叔父と叔母は赤の紫陽花を本当に嬉しそうに眺め手入れをしている。叔母が紫陽花が好きで更に叔父が赤色を好きでその2つが合わさっている事が何よりも嬉しく生き甲斐なんだそう。

叔母は虚弱体質だったと言うが、私からみると極めて健康的にみえる。叔父と叔母の間には子供はいない。母子ともにとはいかず、どちらかの生命をとるしかないとなる可能性が極めて高いとの事で子は諦め2人で過ごしていた。

私は5人家族で上2人と10以上も年の離れた末っ子だった為、両親は忙しく上2人は勉学に忙しいからと私はよく1人だった。

それを見兼ねた2人が平日はこっちでと面倒を見てくれてそのまま養子にしてくれた。

別に仲が悪いからではなく、その方がどちらも生活リズムを崩すことなく侵さないからというなんとも言えない理由である。


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