「映し」を含む小説

高校１年生の凜は、末期ガンで父親を亡くす。母親が連れてきた「新しい父親」は、怪物だった。

幻想の世界、ユーライジア。 現実の映し絵である夢の、あるいは数多の未来の、可能性の一つ。 ユーライジアの世界は、世界を司る十二の意思ある『根源魔精霊』と呼ばれる神にも等しい存在…

カメラマンが捉える景色全てが美しいわけではない。 小倉は主に報道に渡す写真を撮る記者のようなものだった。良いネタを、良い記事を。それが彼の仕事だ。私情を挟まないのが彼にとってのプ…

　地獄の日々を送った僕が選んだのは『自殺』と言うありきたりな逃避だった。 　死んだはずなのに、果てすら見えない海に一人箱舟に乗って漂っていた僕は、自分をいじめた人間、切り捨てた人…

夜の闇を映した漆黒の水が、静かに流れる風を受けてなだらかな波を立てる。隣接した道路の街灯から漏れ出した僅かな光が、波のあちこちに反射してキラキラと輝いた。 私は最近、夜中のプール…

高二の夏、人生で初めてできた彼女は、左利きだった。 向き合うとまるで鏡みたいだねと、笑いあった。 けれど彼女は、私に内緒で教師と隠れて会っていた。 二人は付き合っているのだと、噂…

　早見美景の目は５分後の世界を映している。 　常に未来視している状態だが、視覚だけ時間がずれた状態は本人には不便この上ない。日常生活では視覚障害とほぼ同じだし、未来が見えると言っ…

中学生の『私』は鏡が怖い。けれど、そんなときには私を守ってくれる秘密のおまじないがある――。 「５分で読書」短編小説コンテスト用・書き下ろしホラー。

毎夜、すべてを映す鏡の前で心を紡ぎあう夢を見る。私とわたしは夢で言葉を紡ぎ囁きあう。映し鏡な私達は愛情を紡げば、憎悪を囁く。不安を紡げば、希望を囁く…。 ポジションな心とネガティ…

「チーフ、あの物体は・・・」 「前髪のジョニー！あの物体を今すぐメインスクリーンに映せ！」 「チーフ！映しました！・・・こ、これは！」 「うろたえるな前髪のジョニー！うろたえるな…

「異世界にはアイスもお菓子も、コンビニもない」 高校生・奥野玄太郎は事故によって右目と幼馴染の御堂愛花を失ってしまう。 しかし失ったはずの右目は不思議な世界を映し、死んだはずの…

春、四月。高校生になった皆守紘（みなもりひろ）は、学園に向かう途中で、白銀の少女パンドラに出会う。 「シャロンをたすけて！」 連れて行かれたのは、とても現実とは思えない場所――暗…

とある大学に通う学生、城本　咲。 彼女の左目は、使い物にならない。 ついでに左耳も少しおかしい。 本来見えるべき世界ではない、似て非なる世界が見えて、その世界の音が聞こえてし…

アカとアオ、ふたりぼっちの少年たちの物語。 バッドエンドのつもりで書いたわけではありませんが、読む人によってはバッドエンドかもしれません。

とある動画投稿サイトに投稿されていた、一本のピアノ演奏動画。 二人のピアニストが二台のピアノで、とあるゲームのBGMをピアノ用に編曲して演奏した様子を映した動画に、私は心の底から…

ほとぼりは、人を包みこんだ。 誰か一人でも欠ければ繋ぐことはできない。ばらばらな四つの感情が繋がる直前の一時間、彼らの青春を映した話

海洋ファンタジー。地球半径が縮小し、何千万年前、半径１７００㌔ｍだった時代へ遡源した。 　大陸は海中に没し、大亀の背中に人が何万人も住める程、人類は矮小化した。 　赤い波長が巨大…

世界のあらゆる姿を映し取る魔物、「変わり者」。彼はかつて故郷を失くした時、顔も名前も失ってしまった。ドラゴン、亜人、剣士、魔術師、おかしな仲間達と共に旅を続けながら、彼は失くした…

ボーイング747-8型機とエアバスA380型機の幽霊が出会って仲良くなる話です。 開発史マシマシですが、別にそんなに構えなくても大丈夫だと思います。よくわからなかったら解説と2タ…

鏡水月――― 水面に映る月鏡　揺れる水鏡　幻の月 儚く　映し世の鏡は消えて溶け　言霊を濡らす 今宵　静寂の玉響　追憶を食む――― 開かずの幣殿で見つかった不思議な掛け軸。 そ…