「香り」を含む小説

「ぽんず」 ポン酢を付けて食べたい。と、ハナは呟いたのだ。あの香りを嗅ぐだけで、鼻の奥がツンと酸っぱくなる。食欲が掻き立てられる。 ハナの顔を覗き込んで、上司のオキタは笑う。 …

神代零児が自己流、或いは単純な思い付きで語る創作論の場でございますれば。

大好きな要素を詰め込んで書いた、クリスマスにまつわるお話をまとめてみました。 それぞれのお話に、関連性がある様な、無い様な。 ドイツ風の架空世界が舞台です。 ■ Weihna…

今回は香りのお話です。

　貧乏な伊佐姫のところに、金持ちの楓姫からとんでもない進物が。でも、神経ワイヤーロープの伊佐姫は動じません。 　富小路とみころさんの自主企画『セルフ三題噺』のお題Ｄ（『栗』『笑…

高校生になったばかりの発馬はある日、海辺で肉を焼く浮浪者風の男に出会う。 その肉はとても美味しそうな香りで発馬は食欲を抑えきれず食べてしまう。 そしてその日、発馬はどんな傷を負っ…

友人から物騒なメールが届いた。身の危険を感じた私は取るものもとりあえず、逃げることにした。 自主企画『ショートショートで紅茶は飲める？』参加作品です。 ちゃんと紅茶がテーマにな…

キャッチコピーではこうのたまっておきつつも、しかしツイートする事すらも憚られる程度にイタい文章の詰め合わせです。 ここに書けばエッセイ的文学の香りがつけられて、そこそこカッコが…

　地上では春一番が梅の香りを運ぶその日、真冬の湖の上に積もった新雪さながらにふわりと白い雲の上では、釈迦如来様を初めとする仏尊の歴々が陽光よりも眩い後光によって年に一度の晴れの舞…

　ある朝、二十代後半の青年がカレーを煮込んでいた。 　調理台に置いてあった香辛料の味が気になり、それを口に運んだ。 　それは男が食べた事がない香辛料だった。 　香辛料は柑橘類のよ…

蝋梅の咲き乱れる、春を間近に控えた雪深い山の中の小さな村。　北へ旅する法師である円維がそこで出会ったのは、キツネに取り憑かれたという美しい花嫁だった。　円維は、すぐにそれが花嫁に…

パン屋に通う青年の、本当に淡い恋（？）のお話です。 かなり短い短編小説なので、お気軽にどうぞ。 あ、初投稿小説です。

高校時代に恋した人が忘れられなくて。 彼女の恋はどんな風に運命をすすんでいくのでしょうか。

クラスメイトの海雪は独りを好む奴だった。修学旅行で行動を共にしたことで親しくなった希は、音楽を通して海雪との絆を深めていく。誰にも知られず、立ち入り禁止の屋上で過ごすふたりの、苦…

童話や短編集を集めてみました。

　中学生の千歳（ちとせ）はいつものように友人の瑞来（みずき）と登校していた。千歳は瑞来からある美青年の話を聞く。なんでもその青年は愛想が良く、容姿端麗でまるでモデルのような男性ら…

ごめんなさい。作中の女の子同士の百合ではなく、花の方の百合のことです。 部屋に、母の好きな百合の花が生けている。 私はその香りが大っ嫌いだ。それだけだ。