「純文学ってなに？」を含む小説

「私は人間です」 マリアがいつも言うセリフ。 男がそれを認めることはない。

――まるで、何も見えない暗闇の中を泳いでいるみたいだ。 上司との飲み会に付き合って終電を逃した俺は、夜の街で途方に暮れる。そんな俺が見付けたのは、不似合いに深夜の街中で光を放つC…

べランダの隅、室外機の裏側にドロリと溶けた一冊のノートがあった。 開けば何らかの文字が見える。当然それは縒れ滲んでいたが、それ以上に悪筆だった。 （少年系短編、短文。とある場面の…

『走れメロス』（太宰治）のその後のお話。 太宰についてもメロスについても何も分かっていない当時書いたので、文字打ちしながら解釈違い起こしてます。

父の書斎を見に行く話です。

長野県の山奥にある公立高校に進学を勧めた武花　美憂(たけはな　みゆ)。 そこは、かつて母が青春を謳歌していた母校だった。 東京の学校には進学せず、わざわざ身寄りのない長野に越し…

森川は昨日家を出ていった。珈琲をめぐる森川との思い出は、彼が私に残していった唯一のものだった。

恋人だったサクラが死んで5年が過ぎた。 サクラを失い、屍のように生きていた安藤圭太。そんな圭太を慕い続ける芹沢絵恋（エレン）。 死んだサクラを想い続けることが真実の愛だと圭太は信…

両親の死、引き取られた先での虐待、失踪、そして記憶を失った２人の少女、里子と千歳。そんな二人を温かく見守る友人、清美と春菜、健、そして祖母の頼子。 失った記憶の先で二人は様々な人…

『港町食堂』は空腹と心を満たしてくれる

メイドのキャンディは国王の息子、ジャスティン王子が大好きである。 キュンキュンなラブコメ。 子供の頃、埼玉県の大宮市に住んでいた筆者は、埼玉を「さいたま」と表記するのが許せない。…

「山口さん、好きです。」 高校二年になっていくばくか経ったある日、山口は今年から同じクラスになった足立にそう告げられる。 彼のことをあまり知らない山口は、自分の好きなところを聞い…

日常の風景。 プロットは父の日に合わせて作っていたのに、盛大に遅刻。

家庭内暴力を受けていた少女。身体も精神も擦り切らせながら生きていた。しかしいつの日か、生きていくことにすら疲れてしまう。そんな少女を救ったのは名前も知らないたった一人の男の子。救…

「三つ子。兄弟殺人事件」の犯人、伊藤光が死んで、それと同時に彼が書いた本が出版された。「天才」「神」ともてはやされた彼は一体どんな人物だったのだろうか。 この作品は合計３話でま…

親に捨てられ姉に搾取され続けた妹が家出する話。

手酷い失恋をした「わたし」は、魂をさまよわせながら台湾で時をすごしているが――。 ※縦組み表示を推奨いたします。

物心ついた頃から、視界の端に存在する「井端さん」と私の話。 SFY（少し不思議な百合）です。途中で男性が登場します。厳しめな扱いを受けています。苦手な方はご注意ください。

愛する人へのプレゼントを探すため、ロンドンのクリスマスマーケットに赴いた、ある男の短編。