「見つめる」を含む小説

ちくたく、ちくたく、かち、こち。 今日も時計を見つめる糸子。 そんな糸子が見つめる先は―――頭の、上。 頭の上の、恋の赤い糸ならぬ、恋の時計。 ※2013年に小説家になろうで投稿…

「苦悩と不安の現象学」からの一節。人間はみなイカロスである。４本足で大地に安定していた彼らは、やがて両腕を大地からはなし２本足で立つようになった。解放され自由になった両腕で空を志…

幼年期からの寄宿生活を終えた少女ディアナは、幽閉された母に会うため伯爵夫人の愛人となった。 苛烈な人柄にもひるむことなく望みを果たす機会をうかがうディアナだが、母を救う力はなく─…

澄村止水(すみむらしすい)は小学五年生の女の子でコンビニのオーナーの娘。ある日、父の店のイートインスペースで飲食していると、壁に黒い穴があるのを見つめる。それはあやかしの世界と通…

斎藤朝恵は、彩花商店街にある衣料品店『ミヤコ屋』の一人娘で小学一年生。 彼女にとって商店街は、馴染み深い場所であり、彼女は商店街の人々から温かく見守られながら成長してきた。 ミヤ…

時は江戸。 天下泰平の終焉がちらつく時代に 陰陽術を使いこなす不思議な女、鈴音がいた。 彼女は、ひょんなことから物の怪や幽霊から 京を護れと仰せつかった新選組に手を貸すこととな…

井上家の三姉妹、桜、葵、涼は母親の還暦祝いに温泉旅行を計画。しかし、リラックスしたいはずの旅行先で、それぞれの心に秘めた感情が爆発。美人の妹たちにコンプレックスを抱く桜、優等生の…

「私」はすし詰めの車内で、人混みから突き出た子供の腕を見つける。少年時代、自分も人混みに巻き込まれて変な体勢をしていたことを思い出し、腕の持ち主に共感する「私」。連帯の目で腕を見…

ダンジョンが当たり前にある世界で、探し物をする一人の少年シルシエ。どこか人間離れした少年は、眼帯の下に隠す右目で人ではない何かを見つめる。 ダンジョンを中心に繰り広げられる人間…

ギャラリー併設カフェ『peinture』に客は来ない。 店主兼イラストレーターの陽子は、この店にも自分にもうんざりしていた。 もう店を潰そうと思い至ったある日、陽子の店を輝く瞳で…

「リンドウさんってミステリアスなとこあるよね。でも、かっこいいし、きれいだし、惹かれるのよね」 「同感。まるで別世界の人みたい」 　クラスメイトたちの好奇の目を背中に感じな…

高校３年生の坂野つぼみは、放課後になると教室に残り、グラウンドで部活の指導をしている“先生”のことを、ただ静かに眺めていた……。

幼い頃から夢見てきた医者への道へ突き進む医大生・森宮莉子。天才肌の彼女はひたすら目標に突き進むが、その道はとてもハードな道のりだった── 女性であること、成績優秀者であること、…

分かっている。 分かっているよ。 所詮。 私は地味子。 クラスで人気者の彼。 陽キャの笑顔を。 私は。 そっと、人影越しに。 見つめるしかなかった。 そう。 それだけの…

ある日のことである。村に住む若者が、突然、大陸への旅立ちを決意した。 彼は青年ながらも、大志を抱き、未知の世界を求めて旅に出ることを決意した。 彼の旅の途中、道中で様々な試練…

犀川 よう様「さいかわ水無月賞」参加作品。 テーマは「雨」。 どこかの誰かの眠れぬ夜を、ただ何も言わず黙って見つめる。 そんなお話しです。 少しだけセンシティブな内容を含みま…

タトゥーアーティストの仕事をしている乱道（らんどう）二十五歳はある日、仕事終わりに突如異世界に召喚されてしまう。 乱道が召喚されし国【エスメラルダ帝国】は聖印に支配された国だっ…

とある召喚勇者が自らの命を賭した一撃は、魔王を異空間へと封じる相討ちとなった。 長く苦しい魔族との戦いが終わり、歓喜に沸く王侯貴族達。だがそれを見つめる王女の胸には大きな疑問が…

あたし、夢愛（ゆあい）は高校に入学したばかりの1年生！ この学校は校則でメイクが禁止されてなくて、学校にメイクをしてきてもいいんだ。 だから女子はメイクをしてる子がすごく多くて、…