「文学 あやかし」を含む小説

茹であがったタンクのなかに野性のジャコメッティが増殖する夜、おれは古紙回収の仕事を首になって、街へ出た。そこで強化プラスティックの甲冑を着た、むかしのクラスメイトたちに出会す。緑…

100年に1度、『忘れ雨』が降る。記憶を食べる、町の悪戯だ。

ヴィム・ヴェンダースはまだ生きているのか。ジム・トンプソンは生きているのか。おれは銃把び指紋を数えながら歩く男。連れあいは悪魔。心臓の都市のなかで、獣の眠りを電波する畜群を通り抜…

あくまでフィクションです。

実家の食堂の閉店危機を回避するため、新機軸の武蔵野名物うどんの試作を続ける大学生小原鈴菜と幼なじみの芦辺穂香。 二人はよい案を授けてもらおうと古くから地元で尊ばれている荒神さんに…

星になった卵は、あくる日、オムライスになって門番の元に帰ってきました。

誰も居ないはずの森の奥から歌声が聞こえてきた。樹々も動物も、泉の水さえも耳を澄ましている。出逢ってしまったその声の主は美しく、何者をも魅了していた。人の子に見えても実に不可思議で…

平凡な女子高生・カンナは、ある日廃れた神社で雪女と人間のハーフ・深雪と出会う。母に先立たれ、何百年も孤独を抱えて生きてきた深雪。彼女の心を救うため、カンナが起こした行動とは……。…

僕、干乃赤冶(ほしのせきや)と円藤沙也加(えんどうさやか)はオカルト好きの大学生。 顔を合わせれば都市伝説や陰謀論、宇宙人やホラー映画と言ったオカルト話を始める。 「気になった…

少女が狐人と呼ばれる人種で、存在しない人物を探し求める奇妙な活動をしていた。精神障害者は動物霊に憑依されていると考えられ、狐は人を騙すという迷信が広がっていた時代に生きる彼女が、…

　きみはこの物語を読んで、応援コメント欄に文句を書くかもしれない。それどころか近況ノートにクレームを入れるかもしれないし、運営に通報するかもしれない。でもぼくにはそれを止める権利…

舞台は江戸。独身の四十男の前に現れた妖艶な鬼の女・ダキニは囁いた。 「おまえさんの、精をわけておくれ」 男が苦し紛れに案じた一計とは……。 『ノベルデイズ』の歴史カテゴリに初投…

美しい瞬間を生きた少女と神さまのお話。

　主人公の美冬は顔が整っているのにガサツな性格のせいで残念美人として扱われている大学生。周囲からも猿のようだと馬鹿にされていました。 　しかし銀髪狐のあやかしに取り憑かれ、呪い…

若干クトゥルフちっくな微ホラーです。 とくに深い意味はないポエムみたいなものです。 受けとれるように受け取ってください。

カクヨムの「５分で読書」短編小説コンテスト、「通学路、振り返るとそこにいる（ホラー）」投稿作品です。 いつもと同じ帰り道。だけど今日の僕は絶好調。だって僕は独りじゃない。 だけ…

かつて沼で美しい人魚に出会ったという男のインタビュー書き起こしです。 ※微ホラー ※もちろんフィクションです

旅人は、鳥居峠という難所の手前、奈良井の街に立ち寄ると『すくみ』という疫病が蔓延していた。400年前に疫病を鎮めた神社の明神様も、動かず。これには理由がありそうで、どうやら謎は鳥…

同級生の久しぶりの会合に起きた悲惨な事件。