穏やかな時間が流れている島に、異分子ともいえる少年が迷い込みます。
しかもこの少年が無邪気なくせに「魔性」ともいえる雰囲気を放つ不思議な存在。
この少年が主人公の心をとろけさせ、かき回していく様がなんとも独特の文章でつづられていきます。
あらすじはシンプルですが、作者オリジナルの世界観がしっかり表現され、独創的な作品になっています。
ほかにもルビを使った独特の言い回しや用語、SFとファンタジーと神話を融合させたような設定の数々など、興味深く読ませていただきました。
ちなみにこれは作者の描いている長編のスピンオフ的な位置づけであり、長編の方もまたその世界が存分に広げられた面白い作品にってなっております。
作者の『この物語を書きたい!』という情熱がまっすぐ伝わるような作品でした。