青林檎の香気ただよう爽やかで妖美で瑞々しい短編。圧倒的な描写力です☆*

翡翠(カワセミ)の森。
其処で私が遭遇したのは美しい声で歌う一人の少年。

琥珀色の髪の美少年が、翠色の森の中で小鳥たちと共に囀る冒頭の描写から、完成度の高い確固とした世界観に惹き付けられます。
まるで少年の美声に曳き寄せられるが如く、物語に沈潜していきますと、もう目が離せません。

はたして、並外れて美しい少年は何者なのでしょう。

これは、卵型のハンギングチェアの中でしか視ることのできない光景かもしれません。
あたかもレム睡眠の眼球がとらえる光景のように、印象に残る物語でした。

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