概要
逢魔が時、ハツカネズミと先生の唇を絖やかす深紅の涎
生物の授業ノートを届けに生物準備室を訪れた女子生徒が見たものとは。
※即興小説トレーニングのバトル(お題:3月の瞳 必須要素:九州)に参加した時の作品を改稿したものです。
※即興小説トレーニングのバトル(お題:3月の瞳 必須要素:九州)に参加した時の作品を改稿したものです。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!生物準備室にて蛍光灯に浮かび上がる鮮やかな魔と美と毒を味わってください
欠落したもの。不完全なもの。
時として、そのようなフォルムに魅力を感じる者が居ます。
この物語の生物教師が、そうであったでしょうか。
たしかに此処は生物準備室です。
読み終えた瞬間、実感します。
生物教師は何を準備していたでしょうか。
生物準備室で少女が見たものとは、いったい。
小道具の「クッキー缶」が果たす演出力が秀逸。
それは教師が蔵(しま)う「L ' écrin (宝石箱)」になるのか、或いは……。
書き過ぎるとネタバレになってしまいます。
このあたりでとどめておきましょう。
端正な文脈が血管を震わせるような、ゾクリとする新感覚ホラー。
酷暑の黄昏時に読みたい温度と湿度の物語です。