潮の満ち引きを思わせる少年たちの名。
彼等のあいだに挟まれる少女の名は栞。
少年の手から譲られた「種付きのかぼちゃ」を食したことで、栞に神秘現象が起こります。
かぼちゃを漢字で表記した時に「南瓜」であること、それが割れること、その種が布石となって、神話のようなラストシーンに繋がっていくさまは圧巻です。
タイトルを拝見しました時には、季節外れのハロウィンのような「お祭り騒ぎ」を想像しましたが、そうではなくて、しんしんと降る雪の如く心に降り積もる、しかし静かなだけではないインパクトを残す文芸作品でした。
不思議な奇跡を見届けてください。