「後ろ 短編」を含む小説

深夜1時。残業で遅くなった私は誰もいない夜道を歩いていた。 人気のない夜道は不気味で、嫌な想像ばかりが膨らんでく。お化けが出たら怖いなぁ嫌だなぁと考えながら歩いていると、後ろから…

「なあ。俺の後ろに誰かいるんだ。」 「誰かがいるんだけど、誰もいないんだよ」 ※当作品は2020年11月22日開催の文学フリマにて発行されたホラー小説アンソロジー「一白界談」収…

　新幹線内、座席を後ろへ倒すかどうか……。 　誰もが一度は悩み、一度くらいはトラブルに巻き込まれたことがあるかもしれない。 　倒したいけど倒せない。 　ダメと言っても倒されたな…

乙女ゲーム『花乙女の箱庭シリーズ』の世界へと転生してしまった私は、悪役令嬢ブームを集約したような悲劇を迎える、リリー・アスセーナに転生してしまった。 このままじゃ、最悪死亡ルー…

席替えに抱く思いというものは人によってそれぞれ違うだろう。新たなスタートを切れる気分転換であったり、話したことがない人と仲良くなれるチャンスであったり、逆にいつも一緒にいる人と離…

風が壁の様にその場に留まっている場所がある。 そんな噂を聞いて訪れたのはバギーに乗った二人組で後ろには荷物を載せていてそれをロープで縛って固定していた。 事前に情報を知らなければ…

KAC2024 ～カクヨム・アニバーサリー・チャンピオンシップ 2024～のお題作品です。 KAC20248『めがね』。　 　 これはとある朝のたわいも無い友人との会話だ。 まだ…

通りすがりに、たまたま見つけて立ち寄った魔法雑貨の店にて、　黄土色のショートヘアに、まるで人形のように美しい紫色の目をした久世理人《くぜりひと》は、吸い寄せられるようにショーケー…

『TASUKE』……それは、協力型の障害越えレース。 第一回のお題は、自転車を漕ぐ一人と、後ろから支える一人による『二輪二脚』。 集められたのは、5組の親子。 4つの関門を乗り越…

ぬるい奴だらけの教室に、ひとりぼっちのヤツを見つけた。あいつも俺と同じなのかもしれない。 ラーメンの企画用ということで書いてみましたが、ラーメンが出てくるのはけっこう後ろの方に…

子供の頃に、祖母の大事にしていた茶碗を割ってしまった。桐の箱に入った、鶴亀の絵付の茶碗。 そのことを思い出したのは、母が亡くなった部屋の押入れに、封印された木箱を見つけたからだ。…

残業続きのサラリーマンは、日々の疲れ、とりわけ心の疲れを癒すため、温泉へ行くことを決意する。 とはいえ、既に深夜を過ぎている。 「さすがに、この時間帯で営業している店なんてない…

人が進む後ろには黒い道（れきし）が生まれる お前たちは新年だからと言って何かを始めなければならないと思い込んでいる。 なんのために新年が始まると思っているのか？ 新しい始ま…

自殺って本当に愚かで、他人を殺すよりも不名誉なことだと思うんです。 そう分かっていても、たまーに死にたくなる時ってありますよね。 自分で死ぬ勇気はないし恥ずかしいから、わざと信号…

　重心を少し後ろに寄せ、後ろ足に力をためて伸びあがるように跳ぶ。それはまるで、力を溜められていた弾性体が急激に変形、地面を押して飛んだかのよう。 　美しい放物線を描きながら飛ぶ猫…

　会社からの帰り道、立ち止まって夜空を見上げていたら、後ろから声をかけられた。 「あなたにも、あの満月が見えるのですね？」と。 （「小説家になろう」「エブリスタ」でも掲載して…

巨大なモンスターが目の前に現れた。 協力してモンスターに挑む四人のプレーヤーだったが……彼らは、それぞれ役を演じていた。 お互いを騙すために。 お互いを知られないために。 お互…

新学期が始まった教室。メガネ女子と、彼女の後ろに座っている背の高い女子の何気ない会話です。 でも、とうぜん、危機一髪な場面が。

　加藤京介（仮名）は家族で湯郷グランドホテルへ行った。行ったというか、立ち寄った。そのお土産屋さんでお土産を家族と一緒に選んでいるとき。 ちょうど１８時。逢う魔が時《おうまがとき…