概要
そのめがねが、気になるかね?
通りすがりに、たまたま見つけて立ち寄った魔法雑貨の店にて、 黄土色のショートヘアに、まるで人形のように美しい紫色の目をした久世理人《くぜりひと》は、吸い寄せられるようにショーケースの中に飾られている、ある物を見詰めていた。
それは、何とも色鮮やかで、爽やかな赤いフレームのめがねだった。
普段、めがねなどかけないのだが、何故か、この時ばかりは妙に惹かれていた。
「そのめがねが、気になるかね?」
店主らしい、白髪の老人がそう、両手を後ろに組みながらも、穏やかな口調で理人に問いかけた。
なんだか怪しい雰囲気を漂わせる老人に問いかけられ、控えめに微笑んだ理人は曖昧に返答。
「ええ、まぁ……」
「それなら……このショーケースの中に入っているめがねを、君に譲ろう」
老人はそう言うと、徐にポケットから取り
それは、何とも色鮮やかで、爽やかな赤いフレームのめがねだった。
普段、めがねなどかけないのだが、何故か、この時ばかりは妙に惹かれていた。
「そのめがねが、気になるかね?」
店主らしい、白髪の老人がそう、両手を後ろに組みながらも、穏やかな口調で理人に問いかけた。
なんだか怪しい雰囲気を漂わせる老人に問いかけられ、控えめに微笑んだ理人は曖昧に返答。
「ええ、まぁ……」
「それなら……このショーケースの中に入っているめがねを、君に譲ろう」
老人はそう言うと、徐にポケットから取り
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