「見ているだけで」を含む小説

　天音空は病弱だった。そんな幼馴染のことを俺はいつも見ていた。 　見ていることしかできなかった。そんなある日、一匹の黒猫が俺に提案をしてきた。 「三つ。君がボクに貢げば、願いを…

とある冬の日。俺は部屋に籠っていた。現在俺は大変細かい作業をしている。 何をしているかというと、鉄道模型。ジオラマ作りとでもいうか。とにかく細かい作業をしているからだ。 あと、俺…

3人の日記を軸に物語が進みます。 常に狂気は後ろにあります。 お楽しみください。

「無能のお前は追放する！」 　パーティリーダーがそう言って、俺を指さす。 「そ、そんな……」 　俺は膝から崩れ落ちた。 　今までの努力が全て無駄になった瞬間だった。 　その…

もうすぐ娘の誕生日だな。 何がいいか。 ……。 さっきからこちらを見ている奴がいるな。 ペットショップ……。 ああ、この子か。 可愛いな。 よし、この子にしよう。 娘もきっと喜ぶ…

KAC20227　出会いと別れ 教師の羽月小夏（はづきこなつ）。 彼女は、かわいい生徒達に囲まれ毎日を過ごしている。 ただ、きらきらと青春を生きる彼女達を見ていると、どうしても…

僕はほぼ毎日誰かに乗られている。でもそれは僕にとっては幸せな事だ。 時には上でジャンプされることもある。またある時はずぶ濡れになっていることもある。 けれど僕はそこに居続ける。そ…

俗世間に馴染む、不思議な美少年の超短編四編。 カカオ60%チョコレートのようなバランスを詰めました。 狂気の美、艶の恐怖、明瞭の苦しみ、冷淡の熱。ぜひご賞味ください。 (※R15…

上陸して東京を襲撃する侵略ロボットに向けられる砲撃……若い男性自衛隊員は苦悩の言葉を発する。 「撃てません！微笑む彼女に攻撃なんてできません！」 男たちの戦意を削ぐ、恐るべき侵略…

　KAC20227のお題「出会いと別れ」 「……今年も一年、ニートだったなあ……」 　木野（きの）葉月（はづき）、二十九歳の元会社員の現在ニートの少女……少女？　女性は、年越し…

スナメリを目当てに水族館へ私を付き合わせた達樹は、私を置いて水槽にへばりついて夢中になっていた。 そんな彼のつるりとした後頭部には、一匹の赤い蛸が泳いでいる。 同じくスナメリがお…

戦いの幕があがる・・・。

魔法使いの弟子である少女フィンは、師匠であるリックと森の中にいた。 世間では敬われ恐れられる魔法使いという存在。けれどリックはどこか違う。 まったく平凡で、呑気で、「おれは本当は…

ある日パンダがゴミ置き場からパソコンを拾ってきた。 パンダの友達のうさぎは、今日もよだれを垂らしながらパソコンを見ている。 そのパソコンに映るのは、、、ある、料理動画だった。 こ…

米寿を迎える前日に亡くなってしまった祖父。 お通夜を無事に終え、忙しい親に変わって寝ずの番をする事になった。 文句を言いつつも隣で様子を見ている少年が体験した事とは……。

『焼き菓子作りの魔法使い』のロッテは、歩行するやかましいブリキロボ型オーブンのワダツミと旅をしていた。 ワダツミは食べれもせず味もわからないロッテの料理を見ているだけなのに「おい…

卯月早苗は波乱万丈の人生を生き抜いて売れっ子になった放送作家のひとりだ。 ある日、面倒を見ている漫才コンビと話をすることになり…… いや、もう、こんなテーマ書けないっす！ …

　六歳の頃より『ある事』に夢を見ている小山岳。少年は待望の夢を叶えるために血の滲むような努力を重ねてきた。 　さあ、彼の夢は何なのか。彼の夢は叶うのか！？

ある住宅地に住む、人々の生活を屋根の上から見ているカラス。 立地、住宅は選べても、隣人は選べない。 私はアタリを引いたのか、ハズレを引いたのか。 私はご近所さんにとっての、アタ…

そいつは、ラヴェルの調べを口ずさみ「花」を生ける――さあ、どうだいゾクゾクするだろう？　綺麗だろう？　見ているだけで……いいのかい？ ＊ 約１年前から断続的に続く、猟奇殺人事…