「〈私〉」を含む小説

深夜、何の物音もしない深い森の奥。 森の外からでも見えるほど明るく輝く広場に私はいた。 身体中から力が抜け、もう立っていられない。 私は起き上がらない身体を引きずりながら、粗末で…

ガイスフィア王国に呼ばれて300年、王国の英雄として生きていたが2人を除き"誰も私も覚えてない"忘却の英雄が1人、今日まで世界の均衡を支えてきた。 そんな彼女の唯一の趣味と言える…

SNS投稿が友人の結婚報告で埋まりだした今日この頃、わたくし宮内絢菜（27）は焦っていた。 そしてその焦りは、その辺の27歳とはわけが違う。 なぜなら… 私の恋愛経験は「０…

子どもの頃、私は旧遊郭跡で遊んでいた。 徐々に、遊郭の建物は壊されていき、街並みは変わっていった。 そして、この場所の象徴的な建物が解体されるとき、私は内部に入ることを許された･…

その昔、魔道王アルゴンが突如現れ、世界を混沌と混乱へ落としました。 しかし、勇者であるカンナギ・レイカに世界は救われた。 世界は平和になりましたとさ。 平和の代表に勇者レイカ…

「シャーロット・オルレアン！お前をセシリア・ルーズベルト毒殺未遂で逮捕する！」 意気揚々と私に宣言する元、婚約者候補であった男、ウィリアム殿下。 「……それは私を皇太子妃候補か…

何事もなく、同じ鉄路をゆく。 特に変哲のない日々を送る鉱山鉄道機関士は、鉱山労働者しか利用しない終点駅で、学生服を着た女の子を見つける。奇妙には思ったものの、彼女は毎日列車に乗り…

結城　拓斗は数日前に異世界に召喚されたばかりだった。 先代の魔王様に召喚されて頼まれた仕事は『もうそろそろ娘が魔王になるからサポートしてあげてくれ』というもので、魔王の執事とな…

木戸マナトは謎の真っ暗な場所でしばらく過ごした後、今度は真っ白い場所へと呼ばれた。どうやら、そこは神界という神の場所らしく、死んだ者がここに呼ばれることは数百年なかったそうな。そ…

ある小説が好きな「私」の話。

家族が全員事故で亡くなり、天涯孤独となった吉崎菜々美。同僚であり親友であるシロ（百井遼汰）は菜々美を支え、やがてシェアハウスの相手となる。シロは菜々美と親友よりも深い関係をの望ん…

　エリスと名乗る少女が家に届いたのは、風の強い日のことだった。 　透き通った碧眼。柔らかなブロンドの髪が風になびき、金色の軌跡を描く。 　少女はゆっくりとした所作でアンティー…

「未海が好きなの。ずっと前から」 　ずっと憎んできた『学園の美少女』である幼馴染のひかりに、突如そう告げられた未海は、その好意を利用して彼女を陥しめることにしたのだが……。 　闇…

　皆さんお気づきのことと思いますが念のために。 　その通り、主人公の名前は「もとみ」ですがタイトルの読みは「きゅうびのきつね」です。 　那須の有名な観光地、殺生石をご存じと思いま…

◆書籍化決定いたしました!!それに伴って、作者からのメッセージを更新しております(4/19) ◆コミカライズもいたします!!詳細は追って追記します！(5/31) 目覚めると大好…

私の恋人は、なんだかいかつい格好をしている。高校卒業までは普通だったのに。 何でなのか、訊いてみた話。

『おみあげは何がいいかな？』 キツネ顔の後輩くんにラインを送るところから始まる恋愛ストーリー。 キツネ顔の後輩くんと先輩の私のおはなし ＊先輩視点と後輩くん視点が入れ替わりま…

ある日「私」のもとに友人の乾からメールが届く。 その内容は突拍子もないもので「私」は乾を疑ったが、どうも嘘をついている様子もない。かくして我らは無謀にも、深夜の海に野郎二人で繰り…

お互い、複雑な家庭環境で育った貴羽と蒼乃。 幼い頃に出会い、二人で様々な困難を乗り越えて、支え合って生きてきた。 それでも世界は二人に厳しい現実を突きつける。 「ここ以外のどこか…