愚者のワスレモノ

偏人

第1話 変わらぬ少女

王都ガイスフィアはこの300年目覚ましい発展をした。

が、前世の景色を知っているとまだまだ先は長いなと思う。


私はミコト、わけあってこの国と言うか世界に呼ばれた女の子なのです!


可愛い神様に世界を救えと言われ気づけば300年。見た目はスキルの影響で16歳の姿のまま、性格はおばさん臭くなるのかと思えばそういう成長も止まっている。


何故って?


それは今日は私がこの世界に来て一番最初に入学し卒業した魔導学校の入学試験でウキウキが抑えられず試験開始2時間前に教室にいるからです。


とは言っても教室にはちらほらと人はいてその大半が平民のようだった。

遠くの村から遠路はるばる来る人がいるから疑問もないがにしても今回は少しだけ多いような気がする。


皆緊張していて話しかけにくいけど二人セットで王都まで来た子は何やら小声で話してる。しかもこっちを見て。


(貴族様かな?あんなにウキウキして可愛い貴族もいるんだね)


(ねえ〜同じ年なはずなのに幼く見える。でも貴族様なのに使用人とかいないのかな)


(たしかに!あんな子一人でほっといたら誘揚されちゃうよね)


(ねえ〜)


私は可愛いのですか!


と少しだらしない顔になるのを抑えて喜びをかみしめる。

貴族どうこうは分からない昔からきている服を魔法で毎回新品にして着ているだけですし、いつもは偽装を自分にかけて変装してたりするのだが流石にもう知っている人はいないので素顔で来たが嬉しい誤算です!


可愛いなんてここ数百年で言われてなかったから自然と正した頬がまた乱れる。


でも彼女らも私も忘れちゃうんです、、、


この国の王と代々書面で約束を交わすことにしているのですが意味はなかったです。



なんの契約したのかは覚えてるつもりだが向こうが代を重ねるごとに段々と契約破棄の形に持っていきやがったので少しだけ怒ってみてもいいが彼女が残した学校がここにあるので何とかなっている。


、、、彼女?


ただ、最近の王国がまた私が来る前に逆戻りの傾向が見られるので世界と何の関係もないがこの学校生活を守るために現王には近々会いに行かないと!

 

私が座るこの席は窓の横で暖かな陽光があたり、寝かせるには十分な環境だ。

試験までは二時間もあるのだ、少しは寝てもいいよねと言い聞かせるように意識を途切れさせる。


不意に頭に思い浮かぶのは初めてこの学校に入った時のこと、何時も一緒にいたあの子は誰だったんだろうか。


今では誰も私も覚えてない。

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