「霧の中」を含む小説

来生健二は、東京北青山でテキスタイルメーカー『リフレック』を経営していた。 ある日、車で軽井沢からの帰り道、偶然霧の中で出会った女と東京まで同乗することになったのである。女の素性…

霧の中から現れた小熊は言った。「動物の掟」を知らないんですか？

ボランティア精神から勇者をやっている話。長い間森の中を走っていたらいつの間にか世界から勇者が消えていた。だから「俺」は勇者になった。「何か」を救いたい――希望が欲しい。それはなぜ…

この小説は、紅夜叉の続編です。 時空間の歪みの中に落ち込み、過去の世界へ投げ出され、そこで蝦夷＜えみし＞の隠し財宝を巡る争いに巻き込まれた紅彦が、再び現代に戻り、過去の世界から…

アリサは雨が嫌いでした。濡れるし、髪ははねるし、頭はボーっととするし、良いことが一つもありません。 なにより、梅雨のある日は毎年、特に憂鬱な日があります。思い出もない、姉の墓参…

戦場に立つ傭兵は、ふと、近頃噂になっている荷車を思い出した。それはいろいろな話に尾ひれがつき、まるで信用できる物ではない。 死と隣り合わせに身を置く傭兵は、矢の降り注ぐ中不思議…

「もし、私が、永遠の命を与えることができると言ったら、あなたは信じる？」 霧の中に消える巫女、身元不明の凍死体、旧陸軍の遺産、山奥にある隠れ里…… 冬の北海道を舞台に、秘匿された…

「忘却の霧」が地上を覆いつくした終末的世界を、旅好き美少女ハナと陽気なオウムが気ままに旅行するディストピア的ヒューマンコメディー。旅先での一癖も二癖もある人との出会いが、ハナ達を…

霧の立ち込めた通学路。 人目がないのを見てとった中学生の「ぼく」は、水たまりを踏んで遊びはじめた。最初は、小学生の頃のように無意味な行為を純粋に楽しんでいたが、次第に遊びは憂さ晴…

魔王と勇者が、剣と魔法であまたの激闘を繰り広げてから1300年。​ 道具が進化し、魔法が消えてなくなった世界で、レナード・フットは『世界を統べる国』と呼ばれた大国、アラス王国の第…

中学３年生の美羽は、母の再婚がきまり、新しい家族と新しい家で暮らす予定だった。その矢先に、事故で母を亡くし、義父になるはずだった人も意識が戻らない。ショックでぼんやりと知らないバ…

※ 2021/4/16 改稿版 公開 【殺伐感情戦線：第11回】お題「霧」 感染症の流行を抑えるために投入された医療ナノマシンによって汚染された街があった。 空中に漂うナノマシ…

昔々、ある国に、深い霧が出る山があった。 それは、人ならざる者たちが跳梁するに相応しいほどの、白。 麓の村では、そこに怪生が出ると噂されていた。 そこに、霧に穴を開けたような、黒…

「霧」の中から発見されたメモ。

祖母は言う、「霧の中で口笛を吹いてはいけない」と……

小さい時からアニメやゲームの世界に憧れていた候（こう）は、ある日眠れないと、夜中に家を出て散歩に出た。 いつも通る場所なのに気にしていなかったせいか、1つの自動販売機のボタンに気…

　突如として発生した「白い霧」、それは、世界から、この世から、「トーキョー」を隔絶した。 　「白い霧」の中にいた人々は多くが消えた。しかし、全員ではなかった。何の因果か、訳も分か…

半年前、兄が死んだ。 それが原因で眠れぬ日々を過ごしていたOL音葉は、ある日電車に乗っていると、突然見知らぬ世界に飛ばされてしまう。 そこで出会うのは山のようなクジラ、霧の中の…