「そいつ」を含む小説

端的に言えば声変わりのお話。

　風が、灰栗色掛かった長い白髪を攫っていく―― 　時は淕明六年、照本の国をたった一人で旅する少女がいた。 　少女の名は玉麗。二本の刀を携えた、狐耳の少女だ。 　彼女には、あ…

「何で帰ってこねえんだ・・・」 　カルルという名の魔法使いは待ちくたびれていた。 　外出を命じた自分のゴーレムが、なかなか買い物から戻ってこないのだ。 　途中で何かに襲われ…

この世界では、人間が小さな生き物ような不思議な存在と暮らしていた。そんな世界で生きる男の子、はるや。そのはるやを中心とした物語。

高二の夏に大好きだったあやか先輩が交通事故に遭ってしまった。 幸いにも生き延びる事は出来たが十年経った今でも目覚める事は無かった。 先輩が眠り続けていたある日の病室にそいつは突如…

「あなたが人に嫌われるのは、『私たちに好かれるから』なんですーー」 　そう言ってそいつは気恥ずかしそうにうつむいた。 　人の家に乗り込んできて何を言うかと思えば、遠回しに告白…

人のブログを見ていると、掲載されている写真の中におかしな奴を見つけた。 不思議に思って他の写真を見てみると、そいつは至る所に姿を見せていた。

俺の家には、一体の日本人形がある。何故かそいつは人形のくせに、どんどん髪がのびるんだ。

「人類は滅亡するッ！」 いつもの大学からの帰り道で、俺はそんな事を叫ぶ少女に呼び止められた。 君子危うきに近づかず。如何にか無視して通り過ぎようと試みるも、 そいつは、異常に…

深夜テンションでツイートしたもの。

ある日の夜。陰キャな男子高校生、足原孝則がベッドに寝転がりつつ、アニメ声優写真集の水着グラビアページを眺めている最中、傍らに置いていたスマホ画面から奇妙奇天烈な筋肉モリモリの小動…

体育教師・中塚の霊が新(あらた)ちゃんに憑いたので、中塚を殺したお祓い対象を探すべく鈴(りょう)は夢を視る。 「鬼切(おにきり)」と呼ばれる鬼祓いの古典教師とサポート役の「鬼の目…

　異世界は非常で残酷だ。その証拠に俺はある人の大切な人の命を奪ってしまった。その罪を償うために俺はこれまでの自分を捨てて魔王として生きる。命を落とすその日まで。この二つの魔剣と共…

モモ太郎(３８)は、この年にもなってもひたすらニートである。 そんな彼に愛想をつかした拾い主で親代わりのおじいさん・おばあさんにポイ捨てされ、村人からも叩き出されて仕方なく旅を…

「なあ、お前の初めてって何秒？」ある日、男はそう僕に言った。そいつと出会ってから僕は、毎日の「初めて」を切り取るようになった。そして気付いてしまった。僕に生きる意味はあるのだろう…

葬儀に向かう道中、奴の事を思い返していた。奴はとにかく今ある形が壊れるのを嫌がっていたな…… ――日常が舞台のショートホラー ※再度「コンフォートハウス」からタイトルを変更しま…

*☆*..*☆*..*☆*..*☆*..*☆*..*☆*..*☆*..*☆*..*☆* 前編完結しました。後編はこちら→もし、魔法の世界に、現実世界の原爆がおちたら―。魔法VS『…

この作品は大木奈夢様の自主企画【集団提案企画　2000文字以内限定】の為の書下ろしです。 いつの間にか三部構成になってしまった。 ①遊星迎撃隊（序） ②遊星迎撃隊（破） ht…

突然マンホールが現れた。

　神が勇者を連れてきたのだけれど、そいつはメイドに手をだしたり、勝手に国の資金に手を出したりと、とにかく最低な野郎でした。 　この物語は、そんな勇者の御目付役になった賢者の日記を…