「眺めた」を含む小説

KAC11回目参加作品。 お題:日記 最後なんだよ！！！！

　いつも視界の隅で、誰かの指が夜想曲を弾くような手つきを繰り返していた。執拗に、冗長に。 　それは、バスの車内で揺られる今では、周りの乗客たちが携帯電話を弄る動作であったり、運転…

星降る深夜。 弟のコウタはいつも窓から空を眺めていた。 自分を宇宙人だと言い出す姿に呆れながらも、”俺”は少しだけ不安を覚えていて――

俺たちのいつもの集合場所は小さな田舎の駅。 でも集合時間は最終列車が発車した後だ。 2人で電車に乗ってどこかへ行くということは今のところない。 ただ――2人で駅のベンチから空を眺…

夏の夜、うだるような暑さの中。 冷蔵庫でずっと冷やしていたペットボトルのアイスコーヒーを、氷を満たしたグラスに注ぐ。 カランとグラスの中で氷が鳴り、中がブラック無糖の黒褐色な液体…

女性が真夜中に屋根の上で夜空を眺めながら考えます。 モノローグに近いです。 以前、即興小説で書いたものをブラッシュアップ。 さらに～カクヨム・アニバーサリー・チャンピオンシップ …

　四枚の羽を持つ空飛ぶ獣「カイロン」が交通手段の一つとして使われている、とある大陸。 　アレッタ・エヴァンスは、父に憧れて航空管制官になった。 　管制官の仕事は、空港間を飛行する…

ある昼下がり。訪れた回転寿司のお店でテーブルに案内され、さて何を食べようかと思って流れてくる寿司の列を眺めたとき、僕の目はひとつの軍艦巻きに向けられた。

俗世間に馴染む、不思議な美少年の超短編四編。 カカオ60%チョコレートのようなバランスを詰めました。 狂気の美、艶の恐怖、明瞭の苦しみ、冷淡の熱。ぜひご賞味ください。 (※R15…

　貴族令嬢として生活していた私は記憶が覚醒、ここが大好きな乙女ゲームの《聖剣乱舞》世界だと知る。「やったぁー！」夢にまで見た、イケメン騎士だらけの学園パラダイスの世界に歓喜。 　…

　プチパーティーを待っていた焼き機は、どうだろうカーテンを閉め切った部屋の中、陰気な疲れ切った社会人に光を当てている。 　数か月前に俺は高校時代から付き合っていた彼女と別れた。だ…

　普通の女子中学生の水穂は、突然現れたぬいぐるみのような丸っこい謎の生き物のトリと出会う。その出会いによって、彼女はトリと一緒に宝探しの冒険をする日々を送る事になってしまったのだ…

「自分が生まれた時のことを覚えているか」 　書庫の奥、明かり窓の光をたよりに、表紙の文字を眺めていた時、ふとそんな声が聞こえた。 　文机で書きものをしていた主の声だと、数瞬あと…

この話はノンフィクション。少なくとも私がこんな話を聞いたという内容に嘘はありません。 第一話は彼の先輩バーテンダーさんから私が聞いた話で、第二話以降は私が彼本人に聞いたものをまと…

自分はアニメが好きなんだと、そう周囲に言えるようになったのはいつからだろうか。 あの頃、その世界を知る人は誰もが願わずにいられなかった。 彼女たちを遠くから眺めて、時々巻き込まれ…

　ある夜、俳優の水杉彰は電車に飛び込み自殺をしようとしている少女に出くわす。彰は少女を見つけ、すぐに救いあげるが、その少女は彰が恋焦がれてやまない天才女優である、椎名空であった。…

推しのギタリストの寝顔を数時間眺め、ハサミをもらいにバーカウンターを目指して階段を降りる女の話。 筆者が実際に、ライブ後に寝てしまったチプルソの顔を朝まで眺めていた経験を元に書き…

クラスメートの押原さんはなぜかわからないけど俺を「推し」ているらしい。 でも俺が押原さんに話しかけるのは「解釈違い」で駄目らしい。 俺はただの地味な図書委員で彼女に推される心当た…

ずっと二番手も悪くない、小学生の頃、僕はずっとそう思っていた。マラソン大会でも学級委員の選挙でも、女の子に対してもそうだったのかも…。図書室でぼんやりと外を眺めていた、高校生の頃…

孤独を恐れる主人公『前田』は川を眺めながら寂しさを噛み締めていた。その帰り道、彼はクラスメイトである『湯波』と偶然にも出会う。孤独と向き合う2人は、答えを見つけられるのだろうか？