「祈り」を含む小説

振り返ると、世界は静止していた。空は血のように赤かった。周囲の人々は気配すら立ち消え、真空のように無音だった。ミノルは発狂しそうになりながら走った。突然彼の前に現れたのは、星と蛇…

　天狗の疾風は昔、人間の親友を失った。 　もしも生まれ変わりが現れたら大切にしようと願っていても、江戸時代から現代にまで時代が変化しても生まれ変わりは現れない。 　やがて悪魔が現…

この国で最も名の知れた聖女は、街で風変わりな店を営んでいる。 この世界には馴染みのない葬儀屋だ。 残念ながら経営は芳しくない。 彼女は葬儀屋を続けるため、聖女のアルバイトをしな…

聖女シオンはヒーリング聖王国に遥か昔から仕えて、聖女を輩出しているセイント伯爵家の当代の聖女である。 昔から政治には関与せず、国の結界を張り、周辺地域へ祈りの巡礼を日々行っていた…

されど、必要なものは与えてくれた。 ニューヨークの祈りとお振の方に着想を得たある棋士の独白の話です。

「見損なったぞ、アンネローズ！　君との婚約は今日この場で破棄させてもらう！」 貴族学院の卒業記念パーティで婚約者である王子の口から飛び出したセリフに、「悪役令嬢」アンネローズは…

　世界で一番空に近い場所は、エルクール王国にある創天の大樹の頂上と言われている。星降りの夜、創天の大樹の頂上で祈ることができれば、どんな願いでも叶えられると言われていた。 　主人…

ヤマトが目覚めると、そこは見知らぬ倉庫。 しかも鏡を見ると、自分の頭が鍋になっていることに気づいて……。 同じく鍋を被せられた仲間たちとともに、ヤマトはこの状況を打破することが…

過去の戦争記録フィルムにの中に、私は初めて祖父と出会った。その一瞬の空に、祖父の平和への祈りが満ちていた。

陰陽庁付属退魔養成学校。内閣府の外縁組織である、陰陽庁が有する学校だ。 何でこんな胡散臭い組織が内閣府の外局にあるのかというと、妖怪や悪魔、妖術や魔術の類が実在するからだ。 俺は…

ガラ通りで奏上師を営む連雀ヒエイ。人ならざるものに祈りを捧げるという仕事柄、妙なものに目をつけられるのはよくあることらしい。朝飯の豆腐を買いに出掛けた彼を見とがめたのは、なじみの…

聞かぬ天使に聞く悪魔。 天に祈れど願いは叶わず、なれど奈落に聞く耳あまた。 望みし者よ、願わば呪え。さすれば道は開かれん。 子供の頃、リネットの村は強力な魔物に襲われた。 村に…

男たちはすでに冥府の住人。されどその蘇りを望んで身を捧げた「大事な女」がいる。 女の身体と祈りを現世へ帰るための蜘蛛の糸にして、男たちは現世への帰還を目指して旅をする。 女の身体…

猫と猫モドキの物語。 願い届かず、祈りも聞いて貰えない物と違い,此方は願いと、祈りが最後に届く物語りに成れば…。 こちらは小説家になろうに小修正した物が転載されております。

破滅は少女の形をしている。終わるだけの世界に祈りを。

【書籍100ページ超・第一章全文を特別連載】 「何のために生まれてきたのか、答えられますか？」 安楽死が合法化されている2040年、神奈川県・江ノ島を望む<ラストリゾート>。…

フィクションにはなりますが、太平洋戦争末期の日本を舞台にした作品を書こうかと思います。 史実とは異なる部分もありますのでご了承ください。 大平洋戦争の末期において、日本は無謀と…

　新興国エストライン王国の第一王子として生まれた“ディートリヒ”は、母親の虐待により感情を失くしてしまい、周囲からは“冷害王子”と揶揄されていた。 　ディートリヒが十三歳を迎え…