夏への想い~夕日が時をとめる

虹のゆきに咲く

序章


上杉君江 様


僕を大事に育ててくれて、ありがございました。

達夫は御国のために尽くしてきます。

もう怖くはありません。

思えば何もしてあげられませんでした。

君江さん、本当は僕の母親ではありませんでしたね。

だから、恥ずかしかったのです。

お母さんと呼ぶことが

今までのご無礼をお許しください。

僕の分まで長生きしてください。

今度こそは呼びます。

お母さん、お母さん、お母さんと


上杉達夫




お母さん

また、生まれ変わってきたらね。

お母さんの子供になりたいな。

いいかな、お母さん。

今度は素直ないい子でいるよ。

約束するからね。

お母さん

お母さん、僕はもうすぐお母さんの元へ行くからね。

また、可愛がってくれるかな。

待っていてね。




商店街より威勢のいい声援が響く。


上杉達夫君 万歳


万歳

達夫君

万歳


それでは、行ってきます。


泣かないで、お母さん。


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