「それでも生きている」を含む小説

ささくれをめくると血が出る。 その血に温かさに触れた時 私は生きていると実感できる。 そして幸せだと思えるの。 痛みがあれば尚一層強く感じられる。 だから今日も私はささくれをめ…

小学生のころ、親友のちとせちゃんが行方不明になった。両親や警察による捜索も虚しく、手がかりひとつ掴むことができなかった。それから１０年が過ぎて―― わたし、神埼万尋（２２）はフリ…

※2024年１月３１日（水）（1082記事目）〜 2024年３月１３日（水）（1129記事目）の記事が掲載してあります。 ※完結しました。続きはSeason６（https://…

　私は真っ暗な部屋で目を覚ました。周りは薄暗く、場所が分からない。ただ、壁には奇妙な模様が浮かび上がっているのが見えた。私はゆっくりと立ち上がり、その壁に近づいていった。 　す…

　46秒後、46分後、46時間後、46日後……それは、正体不明の病で倒れた桜山瞳が、目を覚ますまでの時間だった。瞳はもう助からないと半ば諦めていた、瞳の交際相手・青都。彼に医者が…

心の壁、その壁面に様々な仮面が飾られている。人と接する時、その中から相手に適した仮面を手に取って顔を覆う。そうやって偽り、騙し、嘘の人生を生きてきたというのに──

KAC第四回参加作品。お題「ささくれ」 ハヨンは雷を操る能力者だ。能力者はこの世の中に生きてはならない。人間に見つかればすぐに殺される世界の中で、彼女は家族を失い、ひとりぼっち…

主人公の柊凌は中学生時代アニメを中心に生きているような男だった。高校を機に青春することを目標に入学する。学園ラブコメストーリー。

　その男は傍から見れば普通だった。 　友達が多いわけでも、少ないわけでもなく、どこにでも居る王城の騎士の指導役として働く普通の男だった。 　ただ、犯罪を犯そうとしたことがないの…

ブラック企業で働く俺が、ある日人間の心に出来たささくれを栄養にして生きている「ささくれ獏」と出会うお話＋資料 KAC2024 ～カクヨム・アニバーサリー・チャンピオンシップ …

　今日もモニターの前で一人、愚痴をこぼす。 　口をつくのは今の時代、そしてまだ生き残る旧世代。 　ささくれだって、荒くれたって、 　それでも立って、生きている。 　KAC…

飛び降りる直前の人、母語がヒューマンビートボックスの人、PCの中に意識をアップロードし自我だけで生きている人……。 世の中には多種多様な人たちが暮らしいています。そんな人たちに話…

綺麗事吐く先生に合うまでの過程

病気によって僅か20歳で亡くなってしまった少女、白雪絵羅。 少女はただ、当たり前と呼ばれる日常を過ごしたかった。 それが彼女の願うことで、それが彼女の夢だった。 そんな彼女が生ま…

他者に認知されなくては生きていけない。 現代社会に生きる我々は少なからずそんな承認欲求を抱えているのではないだろうか？ 他者は認めた自分こそが正解で、それ以外は間違い。 そんな…

何も求められることがないということは、不要であるということに等しい。

グロテスクな美しさを感じたことはありますか？ 醜さの中に美しさがあり、美しさの中に醜さがある。 鏡の向こうの自分は本当のあなたですか？ 表と裏は一つになれませんか？ シュ…

KAC2024 参加作品。 800字の短編。 高校卒業を目前とした主人公は、卒業をすることでむかえる「大人になること」に、はじめて目を向ける。

「うざってぇんだよ！　このクソ野郎！！」 「ぐあっ！？」 　勢いよく蹴っ飛ばされて、俺は尻餅をつく。 「死ね！！」 　追撃の蹴りが顔面に叩き込まれる。 　衝撃で地面に倒れ…

淡い月灯りの中。 恋する人と。 手を。 繋いで。 影踏み遊び。 生きている実感を。 二人で。 たわむれて。 みませんか。