たわむれに

進藤 進

膨らんだ矛盾

「もう、いやっ・・・」

私の叫び声が深夜に響いた。


ドアの前に立ちすくむ貴方は。

狼狽えた表情のまま、何も言ってくれない。


言い訳でも良いのに。

私は聞きたかった。


分かっている。

分かりすぎるほどに。


貴方も疲れ切っている。


二人。

頑張っているよね?


だけど。

もう、限界。


疲れたよ。


共稼ぎの夫婦。

収入は多いけど。


完全な休日は無い。


まして。

子供がいる今は。


心の休まる日が無い。


保育園への送り迎え。

家事の分担。


ゴミの日。

町内会の会合。


些細なことなのに。


ストレスが。

溜まっていく。

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