かごのぼっちの脳内

かごのぼっち

人と人との境界

人と人との境界


それを細胞膜なのだとすれば 


性交とはひとつの


境界をこえる手段なのだろう


細胞膜をつきぬけて


核と核が融合するのだから


性交が


核の融合だとするのなら


そこには細胞膜をこえて


融合しようとする


エネルギーが生じる


遠距離恋愛が


成功に至るかどうかは


そこに生じた


エネルギー量に


よるのかも知れない


人と人との境界は


じつは躰そのものでは


ないのかもしれない


いつまで経っても


ひとつになれないのは


そこに心があるからだ


心と心がぶつかるから


いつまで経っても


ひとつになれない


ふたつがひとつに


なろうとするのならば


心はひとつになるべきだ


けれど心は


ひとつとひとつ


いつまで経っても


ひとつになんて


なれないんだ


だけど


ひとつになれないことを


嘆くことはない


だって


ひとつとひとつ


ふたつだから


かぎりなくひとつに


なろうとするのだから


ひとつになろうとしなければ


そこにエネルギーは


生まれたりは


しないのだから


心はふたつでいい


ひとつとひとつが


寄りそうくらいが


きっと


ちょうどよい距離だ


おたがいの温もりを


感じるくらいが


きっと


心地よいのだと


そうおもう


温もりを求めても


求めすぎたら


ダメなんだ


求めてすぎて


近づきすぎたら


ダメなんだ


心は熱いから


熱すぎるから


近づきすぎると 


きっと


火傷しちゃう


火傷をして


相手を嫌うくらいなら


近づかないほうがいい


火傷をしないように


近づきすぎないように


優しく


そっと


寄り添っていれば


きっと何時までだって


一緒にいられるよ


人と人との境界


繋ぐものがあるとすれば


それは


思いやりだろう


人と人との間を


思いやりで埋めればいい


思いやりで


いっぱいになったら


きっと


おたがいを


自由に行き来出来る


人と人との境界


インターネットも同じ


画面のむこうに


人がいる


隔てているのは


電波だとしても


文字は


言葉は


声は


ツールにすぎない


人を傷つけるツールは


剣や銃だけとはかぎらない


そして


人を救うツールも


医療や介護だけとはかぎらない


言葉は偉大だ


声でも


文字でもいい


伝えることは


波紋だ


人の周りには


必ず波紋がある


波紋と波紋がぶつかれば


波が乱れる


乱れた波は


その人を揺らす


良くも悪くも


揺らす


どうすれば乱れないのか


交互に


波紋を出せばいい


それだけだ


挨拶というのは


そう言うものだろう


相手が揺れないように


波紋を出せば


良いだけのこと


人と人との境界


小さい頃


手と手をつないで


歩いたよね


手と手


つないでいたら


どちらかが速くても


どちらかが遅くても


必ず隣を歩ける


手と手


つなげる距離感


大人になっても


同じことだと


そう思う


人と人との………

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る