「味」を含む小説

「その果実を口にしたら、楽園には戻れない。なぜなら蜜の味を覚えてしまったから。だとしても、この先に後悔する事はないだろう。蕾が花開こうとするのを、誰も止められはしないのだから。」…

わたしはあの子と友達になりたい。ううん、あの子が「好き」なのかもしれない。 学年でも目立つ容姿の、水色の蝶々みたいな子。 地味系優等生女子が、憧れの女子と食べるイチゴミルフィー…

第２回カクヨム短歌・俳句コンテスト 短歌20首部門参加作品

国から離れた街『ハイジン』。そこは真っ当な社会では過ごせない者達が流れ着く最期の土地。 そこで生きる少年“ミツ”は掃除人として肩身を狭くしながらもどうにか生きていた。生きる為の目…

俺の名前は「遥 叶多 」（はるか かなた）高校一年生。 俺には付き合ってる彼女がいた・・・なんで過去形かって言うと・・・。 俺の愛しい彼女は同級生で、名前は「茲沢 瑠奈」（ここ…

俳句です。フルーツです。 「一番果」というのは、一番良い！　という意味ではなくて、その植物にとって一番最初にできた果実という意味です。 第2回カクヨム短歌・俳句コンテスト俳句…

「色違いの紫陽花の下には死体が埋まっている！」 下校中、高校のクラスメイトが急にそんなことを言い出した。 彼女によると、死体の作用によって、赤い紫陽花が青色に変わることがあるそう…

地獄のマグマが広がる世界で、 餓鬼という妖怪が食べ物を求めてさまよい続ける。 どんな食べ物も満たされない餓鬼たちは、人間や動物を骨までしゃぶり、 命が尽きた人間を貪るが、 決し…

この春「お題」と「800文字以上」という条件で、小説を幾つか執筆することができました。これに味を占めて、コンテストのキーワードを借りてお題と見なせば、書くことができるのではないか…

他人の不幸は蜜の味という言葉がある。誰かにとっての不幸を見ることで自分が幸せであると再確認することができるという心理状態から来ているらしい。だけど私にとって不幸というのはどこまで…

『第2回カクヨム短歌・俳句コンテスト』一首部門に応募中の、現代短歌集です。 気が向いた際に随時更新します。 また短歌の公式コンテストが開催されますように！ 二十首連作部門に応募…

誠二くんは、家ではあれだけ和食料理を食べるくせに、外ではほとんど食べません。 その理由に、麻里ちゃんが気づいた時の話です。

「めんどくさいのが、えっちゃんだからね。ちょうどいい頃迎えに来ようと思ってたんだ。そろそろかなって」 　私はこうやって、いつも瑠花に救われる。 　同性との関係をカミングアウトし…

辺境に存在する田舎村を統治する、若い頃にSランク冒険者として活躍した騎士バルドに一人の息子が誕生する。名前はアレン、父親譲りの黒味がかった茶髪が特徴的で、魔法の才能を持っていた。…

「初詣、親父と行こうと思ってるんだけどさ」 父の一言をきっかけに、家族は車という弁当箱におさまる。 そして、家族の味を、思い出す――。 ＊この作品は、他の投稿サイトにも掲載して…

昨日、太陽みたいにきらきらだったきみが死んだ。 "自分が肯定できないような自分を他人に肯定してもらおうするな"って言葉が鼓膜から離れない。

人工甘味料。 それは、ジュース、甘いお菓子、あまじょっぱいお菓子、加工食品など、あらゆる食品への添加物。 近年、ますます使用傾向の高まる人工甘味料だが、果たしてその安全性はい…

その日、彼は食堂の卵焼きを食べて衝撃を受けた。何故なら……。 ※なろうにも投稿しています。

また箸を動かす。レンゲを握る。麺を吸う。スープを飲む。葱の穴に箸が刺さる。取り残したコーンが沈む。器の白い部分が増えていく。 （食べ物短編。ゲーマー少女と味噌ラーメン）