彼女の骨、灰の味
りんご飴
0
ボロボロで雑だが修繕の跡が目立つノートを丁寧に開いて、少年は昔を昨日の様に思い出す。
彼女から読み書きを教えてもらえて良かったと、心底思えた。
──この街でも読み書きが出来た方が生きやすいと思うよ。
僕の悪い頭ではいつか忘れてしまうかもしれない彼女の事をいつまでも忘れずにいられるから。そして他の誰かに伝える事も出来る。
──文字にしておけば、いつでも昔を思い出せるから楽しいよね。
昔を思い出すのを楽しいと言える所は分からなかったけど、彼女をより鮮明に思い出せるのは嬉しかった。
少年はノート読み進めながら、彼女の事を少しずつ、鮮明に思い出す。それはまるで哀悼の様であった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます