「躊躇しない！」を含む小説

　私こと新藤（しんどう）は祓い屋である。即ち怪異の専門家。 　今日もこの福岡という街にはハート・スナッチャーという怪異が現れる。 　いい加減、出過ぎだ。お陰で私は本業の会社員との…

　女性遺伝子工学者の業原（ごうばる）は決断を迫られていた。 　ヒトの受精卵に遺伝子編集を施すか否かを。 　彼女には私的な思惑がある。かつて交通事故で亡くしてしまった自分の息子を黄…

これは、彼、そして彼らの周りを巻き込んだ、栄光から転落への物語である。 たった数年で、突然年収12億円までに上り詰めた男。しかしその栄光の裏には金と欲望が渦巻く陰謀が隠さ…

ネットの世界に足を踏み入れたのは、大学生の頃だった遠山は、そこで知り合った主婦と、ネットでの淫靡な関係になった。だが、そこで躊躇したからなのか、相手も一歩下がったことでぎこちなく…

インドで開発されたスマホアプリ〝シヴァ〟……それは国民同士が監視しあい、告発しあうアプリだった。違法行為、不道徳行為を告発されて悪徳ポイントが１万に達した人間は心筋梗塞でこの世を…

元素や化学反応式をもとに、ゲーム感覚で楽しめる科学×生物ファンタジー！ ※カドカワ短編児童小説コンテスト応募作です。 理科が好きでまじめな理玖（りく）と、勉強嫌いでやんちゃな円…

モニタ越しに見えた世界は灰色。そんな月の明かりを見終えた。冬枯れの街路樹と落ち葉。季節は紅葉から雪化粧へ。雪だるまを作っている少女と出会う。目が会うと見栄えするような転び方をした…

三造の伯父は、狷介にして善く罵り、人をゆるすことを知らない人物であった。伯父の死後、彼の著書を図書館に寄贈するよう親族より託された三造は、躊躇しつつ、その生き様を思い返すのであっ…

よくある変身物語です。森林破壊や責任転嫁人間の自己の利益の追求のためなら他の犠牲を躊躇しない性質。私はそこに注目した。

　その声を聞いた瞬間、感動がこの身を包みました。 　そこそこの人数が一階に降りようとしている中で――ベビーカーを手にもつ女性が階段の前で立ち止まっていました。 　エスカレーターを…

「君は毎月そんな高額使っているんだね」 久々に会う友人と皆既月食の日に飲みに行く話です。

　かつて、国は　一つだった。 　中央に川を挟んだ広大な王国に、双子の王子が生まれる。 　兄王子は人の力を信じ、弟王子は神を信じた。 　しかし、王がこの世を去った時、双子の王子によ…

　甘粕亜紀は、防犯課少年班に所属する婦警である。 　奉職して２年が過ぎ、所轄警察署に配属されて初めて担当した事件の苦い思い出。 　ネットワークのなりすまし、罵詈雑言の嵐、増殖…

インターネットで情報を集めていると、ふと気になった、ホームヘルパーサービスを見つけると、興味を惹かれてしまう。 しかし、どんなサービスかわからないので、躊躇してしまうのだった。 …

高校3年間、大地に片想いしてた里穂。想いを伝えることを躊躇したのは、99.9%フラれるという確信があったから。

　15の誕生日に、一人に一つの特殊能力『祝福』が与えられる世界。 　エリアス・エメロードは、15の誕生日に祝福を与えられなかった落ちこぼれであった。 　そんな彼には、リーシャと…

勇者と魔王の最終決戦 人類の希望　勇者ですら破れ去ると思われた瞬間――― 異端審問官　グレン・ザ・ソリッドダウンが現れた。 彼は教会が秘匿すべき禁術を使い魔王を討伐する。 魔…

僕の妻は訊けばなんでも答えてくれる。それはそれでありがたいのだが、僕には訊きたくても躊躇していることがあって……

　町から離された山奥にある老人福祉施設「白川の杜」。 山々に囲まれたこの施設は毎年白い雪が降り積もる。 強く吹雪く風を眺めて一人の腰の曲がった小さな男性が好奇心に言う。 「皆さん…