「体温」を含む小説

どうせなら、笑ってサヨナラしよう。 それでも残ってしまう感情は、無理して捨てなくていいんだって――あの日、初めて気づいたんだ。

あたしが覚えているのは、彼の体温と、彼がつけていた香水、タバコの匂い。そして、あたしに吐かれたものではないであろう、「愛してる」という言葉。（クリスマス企画）

　写真家の五十崎蓮《いそざきれん》は、親友のミュージシャンにCDジャケットの写真を撮って欲しいと頼まれて、北欧の森までやって来た。 　しばらく針葉樹の連なりやエメラルドグリーン…

短編「体温」

貴方を抱く、この温もりが消えてしまう。 やがて貴方は私から離れ、去っていく。 温もりが怖いのです。 貴方の体温をずっと私と同じにしておきたい。 どうすれば、いいですか。 僕…

蒼崎カガリは配信中にダンジョントラップに嵌まり、閉鎖空間に閉じ込められてしまう。部屋の中央には禍々しい呪いの武器。それを装備しなければ外には出られない状況だった。 呪いの武器は火…

俺はずっと、お前のことしか見てなかったよ。 何をしててもずっと、お前のことばっか考えて、俺の行動原理は全部お前だった。 まぁそれで勝手に辛くなって、お前から離れたんだけどさ、俺は…

暖井星那（ぬくい　せな）：主人公。高校一年生。中学三年の時に、美空に恋をしている。気持ちを伝えられずにいるが、学校内では美空の傍にいたがるため、周囲の友人にはバレている。本人は、…

体温が一定以上になると溶けてしまう【君】と【僕】の日常。 カクヨム甲子園ショート部門応募作品です。 よろしくお願いします。

秋風の吹く、満月の夜だった。幼馴染の手を固く握って、行列の中をひたすらに走っていた。手のひらから伝わる体温が熱い。彼女は真夏の太陽のよう。鬼たちの間をするする駆ける、かわいい背中…

ざまあ有、ラブコメ有の学校生活×ダンジョンファンタジー！ ある日、世界のあちこちに門が現れた。 門は開くことはなかったが、こう書かれていた。 『ダンジョン入場者へ。これより…

ヒトの体はそれぞれが星のひとつひとつだ。わたしが子をそだてるために妊娠中体温が37℃を超えた時、その星の地上では命を育てるというよりは沸騰化して生命を奪ってしまう。それら生命を喰…

動機の話。 つまりは夢の中に浮かぶ泡沫が世界であり、色彩が人間の人生だ。

数分で一話を読み切れるくらいの、小さな百合(GL)小説掌編集です。

阪神大震災の語り部、峰松浩一(こういち)は急死しました。 予期せぬ事態に混乱している状態にはありますが、彼の体験小説の共同執筆者として跡を継ぐことになりました。 とはいえ、わた…

恋人がベッドから僕を呼んだ。

【あらすじ】 アローアームズ社製の人感センサが、ヒトと人外とを識別しているというのは我々の界隈では有名な話だった。だが、そんな与太を本気にしている者は多くなかったし、私もまた下ら…

檜神村で不当な扱いを受けて育った柚沙の生活は、村の巫女・かごめに出会ったことで華やぎ始める。そんな、かごめとの日々は長くは続かなかった。村の呪いを鎮めるため、彼女は生贄として殺さ…