キス、してもいいですか
進藤 進
繰り返す囁き
キス、してもいいですか。
僕のささやきに。
貴方は頷く代わりに目を閉じてくれました。
長いまつ毛のカーブが。
新しい半月を二つ作ります。
ぷっくりした唇が。
少し開いていて。
僕を導いてくれます。
好きです。
その言葉を消すように。
唇が重なります。
永遠の時が刻まれようとしています。
貴方と僕の。
柔らかな感触の中で。
泣きたいほどの恋心が絡み合っていきます。
キス、させてくれました。
腰に廻した右手が貴方を引き寄せ。
左手が貴方の指をギュッとします。
「ふぅ・・・」
貴方の甘い息が当たります。
僕は嬉しさに叫び出したいくらい。
静かに吸い込んで行きます。
キス、しています。
つい、この間まで。
他人だった二人が。
互いの温もりを感じながら。
もう、怖くありません。
二人の温もりが今、交じり合ったのですから。
(愛しています・・・)
僕の心の中の呟きを。
今、貴方の舌が絡めとっていきました。
(愛しています・・・)
貴方の呟きも。
今、僕が絡めとりました。
貴方と僕の。
永遠の時が刻まれた瞬間です。
キス、したのです。
お休みなさい。
そして。
愛しています。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます