なんにもない。

高校生

無題

死にたいのに死にきれないのは僕が彼のことを想っているからなのだろう。



彼を想う度に、僕の感情は血の海に沈んでいく。血の海にひとたびのまれたら、汚い血を飲み込んで、やがて僕の心を血が蝕んでいく。そして、死にたい。そう思う。



僕が彼に望むのは、そんな難しいことじゃない。




ただ、僕に真正面からぶつかって、馬鹿野郎が!って叱責してくれる。それで僕は、ごめんな馬鹿でって笑う。




そんな、どこにでもありそうな物語を描きたいだけなんだ。




それで二十歳超えたら飲み会とかで

「お前、こんなことしてたよな〜」って、笑って、面倒くさかったとか、そんな当時の彼の内情を酒のつまみに話して、それで、生きてて良かったなって。そう思いたいだけなんだ。



そんなことも出来ない人生なら、捨てたい。

全部捨てて、三世で彼のことを待ち続けた方が、幾分マシだ。













なぁ、今から一緒に飛び降りないか?

何も見えない、暗闇に。

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なんにもない。 高校生 @rio_retasu

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